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urt side
初めてAと会った時は、突然小夜さんのそばにいた部外者で。でも拾われたと知って可哀想だ、守ってあげたい、なんて思った。けれど彼女は昔のセンラと違って境遇に引け目なんか感じていなくて、俺の支えとかは要らないのか、それなら良かったって安心して、
それで、何？
Aは自害しそうにないとわかって安心したのだから、もう過剰に会話しなくても平気。
別に沢山人との関わり合いが欲しい訳でもないから、休みの合間を縫って部屋に呼ばなくたっていい。
Aは大切にしなくてはいけない存在ではなく、ただの顔見知りとなったはずだ。
なら、どうしてさっき嫉妬した？
嫉妬という感覚は分かる。幼い頃の朧気な感覚だが、幼心なりに理解している。先程彼女が他人にも触れられている、と知った時に心に渦巻いたあの感覚は、確かに嫉妬だった。
俺は、彼女を守りたかっただけだ。精神的に病んでしまわないように、心に寄り添ってあげたかっただけ。けれどそれも心配ないとわかってその意識を放棄した。
ならば何故、そのほんの少しの庇護欲で嫉妬する？
酷く頭が痛む。一度考える事をやめて、窓から外を仰いだ。
ぼやぼやと輪郭を濁らせている朧月。いつもは綺麗だと思うそれも、何故か今は苛立つ材料になる。はっきりしろよかぐや姫とやら。
……そういえば、空を見上げて人知れず涙を流すことも、最近はなくなっていたな。
それは、客との艶事の後思いだすのが事への嫌悪感ではなく、彼女に男婦として取り入った時の引き攣った顔だったからだ。
拒絶したいのに場数を踏んでいない為に上手く動けなく、それでも自分なりに奮闘している姿がとにかく可愛らしくて、それを思い出す度に笑っていた。
その彼女がつい先程まで座っていた座布団に目を向ける。無理やり帰してしまって悪かったな。
……そうだ、Aはまるで学を受けていたかのように姿勢がいいのだ。
「……あは、」
どんなに考える事を放棄したって、次の瞬間にはAのこと考えてるじゃん、阿呆らし。
部屋の中を眺めていた視線をもう一度窓の外に移す。すると、さっきまで朧月だったはずなのに、いつの間にか輪郭がはっきりとしていた。
まるで俺の心みたい。訳分かんなくなったり、すぐにはっきり分かったり。俺の心都合よく出来てんな。
何処か理解してしまっていた、でも見て見ぬふりしていたその本心にやっと目を向ける。
……異性を恋い慕うなんて、いつぶりだろう。
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
