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*
「この事は秘密にしててね。恥ずかしいから」
少し頬を染めて、視線を手元に彷徨わせながら、声を出した彼。
……恥ずかし、かったのか。何か聞いてはいけない闇の事情だったのか、などと少々怖かったのだけれど、どうやらそれは杞憂であったようだ。良かった。
彼は目を緩く閉じて手の平を胸に当てて、すうはあと大きな呼吸を何度も繰り返して、心臓を整えていた。
流石に、ずっと秘密にしていたものを影から覗かれていたということは、驚き、なんて言葉じゃ表せないもんね。もちろん故意ではなかったものの、悪い事をしてしまいました。
浦田さんの心臓が整うのを待っている間考え事をしていたが、「あのね、」という言葉により思考を遮断して浦田さんに意識を向ける。
「此処を出たら、舞をしたいの」
私の目をまっすぐ射抜いていた浦田さんは、ふと目を逸らすと何処か遠くを見つめながら言葉を紡ぎだした。
「昔から舞をしたくて、けれど金が足りなかったから仕方なく此処で働きはじめたの。けど沢山働いたら何か上り詰めちゃって、辞めるに辞められない、って状態」
「へぇ……」
思わず唸る。やりたいことが出来ないのは辛いですよね。
「……で、どうだった？」
「へ？」
「俺の舞。他の人に見られたの初めてだから、感想ききたいなぁ、って」
照れたように笑いながら、おずおずとそう言った彼。浦田さんに伝えようと、先程感じた印象を言葉に纏める。……けど、
「綺麗、でした」
「……え、それだけ？」
拍子抜けしたような顔で、しかも若干呆れ口調でそう言った浦田さんに何も返せない。だって本当のことだし。
「ほんとに綺麗だったんですよ。こうして語彙がなくなってしまう位には」
「もうちょい何かない？今後の参考にしたい」
「えぇ……？……えっと、ずっと絶えずに滑らかに動いてたので、ピシッとする所を増やしてみる、とか……？けど滑らかなのも個性だと思います」
頭からどうにか絞り出したそれを真に受けて頷いた彼。ちょ、ちょっと待ってください。
「あくまで素人の意見ですよ！玄人である浦田さんからしたらそりゃもう」
「いや俺もこれで稼いでないから素人だよ」
「技は玄人と同じくらい凄いんです！」
謙遜してみせた浦田さんを説き伏せる。あれ、これ使用人さんに抹殺されないかな。
「……ふぅん。まあAがお世辞を言うとは思えないからそれでいいや」
微妙な顔でそう言った浦田さん。語彙が狭くてすみませんね。
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
