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*
「うん、もう大丈夫そうね」
あれから、半月ほど。
小夜さんは忙しい人のようで、それでも合間を縫って会いに来てくれた。時々別の女の人が来てお世話してくれて、男性が来ないのも小夜さんの計らいかな、と細やかな心遣いに嬉しく思った。
「はい、痛みはないです。ちゃんと動くし。……あの、小夜さん」
「はいはい、分かったから」
お話を聞こうとしたところを遮られる。色々話を聞きたいのに毎回先延ばしにされていた。
うずうずと探究心が疼くのを根気で抑えこむ。治療が終わる日をずっと待ちわびていた。もう治ったから聞きたいのに。
「ご飯を食べてからにしましょう？」
「……分かりました」
小夜さんは命の恩人である上、人間としても尊敬しているから出来るだけ逆らいたくない。私は渋々小夜さんに従った。
部屋に座り、机に並べられた豪華な食事の前に座る。
「豪華な食事ですね」
「そう？一般的だと思うけれど」
「確か、前の家ではもっと粗末な食事だったと思います。どうしてでしょう」
「……まぁいいわ、そのあたりも後で話しましょう」
話を聞ける機会だと思って思い切り食いつくと、全てお見通しの様でひらりとかわされた。ぐぬぬ……
小夜さんが手のひらをするりと合わせる。私も慌てて同じ動作をした。
「いただきます」
ぱくぱく、もぐもぐ。
静かな時間が流れる。心地よい沈黙だった。
小夜さんは礼儀に重きを置くから、動作がなめらかで綺麗だ。容姿を上手く使って、情事を行う職に就けば一攫千金も……いや考えるのはやめておこう。失礼だし。
***
「ご馳走様でした」
静かな空間に声が響く。待ちに待った時間だった。
「小夜さん、色々聞かせてください」
「……ええ、そうね」
僅かに空いた空間に息を飲む。聞かれたくなかったことなのかもしれない。
「あ、別に話したくないわけじゃないし後ろめたいこともないから大丈夫よ」
考えていたことを一瞬で否定された。ちょっとへこむ……
……いやいや、自分の感情はどうでもいい。とにかく今は、話を聞きたい。
背筋をピンと伸ばし、小夜さんをまっすぐ見つめる。
「……まず初めに、此処は何処ですか」
「そうね。陰間茶屋、って知ってるかしら」
「かげ、ま……？」
聞いた事のない言葉に首を傾げる。茶屋ってことは、遊興とかする場所だよね。でも、陰間、って……？
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
