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ピリリと稲妻のように素早く走り抜けた頭の痛みで目が覚めた。びっくりする程ふわふわとした感触の布団に包まれる感覚にぱちぱちと目を瞬かせた。
……え、なにこれ。
生きてる、んだよね。これが夢で天界へ行くまでの丁重なもてなしだったり……そんな酷いのは嫌だな。
体を動かそうとしてもおもりを括りつけられているように動かない。本当に拘束とかされてるのかな。その可能性も捨てきれない。
ずっと上を向いていた視線を壁に向ける。パッと見かなり質素だけど丈夫そうな見た目。さらに、扉の隙間から見える別の部屋はかなり豪華絢爛だ。本当に、ここは何処なの。
その視線を横に向けた瞬間、私は思わず声にならない叫びをあげた。枕元に女性がいたのだ。一瞬祟られているのかと思った。
顔立ちは綺麗なのに、艶やかな黒髪を床に垂らし座ったまま船を漕いでいる姿はやけに可愛らしく見える。そこらの健全な男性ならすぐに恋に落ちてしまいそうだ。
「……あの、すいません、」
起こすのは気が引けたけれど、そうしなきゃなにも起こらないから仕方ない、と何度か声をかけてみると、小さく唸って目を開けた。
「あ、ごめんなさい。起きたのね」
ぱ、と姿勢を正してわたしの調子を伺う。額や首筋に冷たい手を当てられて、つい首を竦めた。
その姿にふふ、と控えめに笑った姿から人の良さが伺える。どうやらこの人は信じても良さそうだ。
「どこか痛いところはある？」
「……頭が痛いのと、体が上手く動かせません」
「うーん、私もお医者様じゃないから治し方が分からないわ、ごめんなさい。寝てゆっくり治しましょう？」
はい、としずかに頷いた。途端に色々な疑問が浮かんできてそれをひとつずつ聞こうとしたらそっと口を塞がれる。
「確かに、色々聞きたいことあるでしょう？もちろん、私だって貴方に色々なことを聞きたいわ。けれど、貴方はまだ万全じゃないから、体をある程度治してからまたお喋りしましょう？」
説得力のある言葉にもう一度頷く。そうすると、彼女もふ、と表情を緩めてくれて嬉しく思った。
「わたしは小夜と申します。一つだけ、貴方の名前を聞かせて？」
「A、といいます」
「A、……A。うん。大丈夫、覚えたわ」
うんうん、と頷く姿を眺めていると、そっと両目を塞がれた。鈴の音のような美しい声が静かな空間に響く。
「おやすみなさい、A」
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
