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「……Aー」
「あだっ!?!?」
瞬間頭に衝撃が。いったいなぁふざけんな!!
「なんだよ、わたる」
「ぼーっとしてたのはお前だろーが。で、もう飲み物買えたの」
「いま自販機探してたとこ」
「……道の途中にあったけど」
「マジで?」
ほらこっち、と手を引かれる。ナンパされたなんて言ったら何されるか分かんないから秘密にしとこう。
「その下ってなにか着てんの?」
「どの下よ」
「そのパーカーの下」
「あー……着てるよ」
ちょっと気まずい様な恥ずかしい様な微妙な気持ちになって目をそらす。それが悪かった。わたるの質問攻めが始まる。
「何着てんの?」
「ミズギデス」
「どんな?」
「フツウノデス」
「ふーん。見せてよ」
「イヤデス」
カタコトで拒否するとガシリと肩を掴まれる。
「ヌガソウトシナイデ」
「なぁんでそんな拒否るの。何度も見られてんじゃん」
「ヤダヘンタイ」
必死の攻防も虚しくジッパーをおろされる。なんでそんな無理やりが好きなの。こちとら恥ずかしいのだが。
「……別に普通じゃん、露出多いだけで」
「それが嫌なの」
「ふぅん」
「も、もういいでしょ……って、やめ、」
ジッパーをあげようとするとその手を止められて胸元にわたるの顔が近づく。髪の毛が擽ったい、なんて思ってると肌を少し吸われてリップ音がした。
顔が離れたそこには赤い跡が。
「……なんで、こんな外で」
「なんとなく?」
「最低」
もう少し恥じらいを持ちなさい。全くもう。
「もうこれでパーカー脱げないね」
「元から脱ぐ気無かったけどね」
「……そ」
**
ジュースを買って集合場所に戻ると、もうみんなは泳いでいた。
「お、おかえり〜。暑いから先入っちゃった」
「別に構わないよー。わたしも入る!!」
ざばん!と水に飛び込む。先程のこともあり火照っていた体には冷たくて気持ち良い。
「Aさーん、今からウエスト測りまーす、えい☆」
掛け声と共に96猫さんに抱きつかれる。はぁ昇天しそう。
「わたしはデブなんで美香にやった方が楽しいですよ」
「Aちゃん痩せとるやんけイヤミか?」
「そんなこと言ったら96猫さんだってー……」
「わたしの事は無視ですかお二人ともー?」
美香が近づいてきて96猫さんに抱きつく。
……女子だ。女子の会話だ。久しぶりすぎて感動しちゃう。
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絵怜音(プロフ) - 亀さんさん» コメントありがとうございます!お、たすくさん!亀さんになってもよろしくです!リクエストありがとうございました!楽しく書かせて頂きました! (2020年3月20日 12時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - あ。間違えた。お久しぶりです!!!もと翼。ーたすくーです! (2020年3月20日 12時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - え。死んだ。リクエスト書いてくださってる……! (2020年3月20日 11時) (レス) id: 99a2eebfea (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - 彩華 ぴあのさん» コメント&リクエストありがとうございます!ナンパの人、懐かしいですよねw笑って頂けて嬉しいです。リクエスト了解致しました!ぜひ書かせて頂きます! (2020年3月20日 8時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 ぴあの(プロフ) - ナンパの人ので吹きました(笑)超懐かしい……もうあったらすみません。リクエストで女の子の日のエピソードを……お願い出来ませんか? (2020年3月19日 22時) (レス) id: 4d63d0190f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絵怜音 | 作成日時:2020年2月7日 22時