13gの毒を盛る 【花宮真】 ※鬱注意 ページ30
13は、不吉な数字らしい。
「…何で?」
「日本では9が苦しい、4が死に繋がるだろ。それを足した数だから、外国とかでは不吉だとされてるらしい。」
「へぇ〜…。私が真に毒盛っても気づかれない?」
私の膝に頭を乗せている真の黒髪を、手で梳きながら物騒な事を口にする。
「さすがに気付くわ、バァカ。」
「だよね。」
「つか、Aの発想おっそろしいな…本気でやらないよな?」
「真が浮気しなかったらね。したら、無理心中するから。」
声のトーンを下げ、顔に影を落としながら囁くように言う。
押し黙った真は何故か悲しそうに眉を下げて「んなことするか、バァカ」と言った。
***
「が、はァ…ッ!」
ガチャンとコーヒーカップがフローリングに落ちる。彼の好きなブラックコーヒーと血液が床一面に広がって、赤黒い水たまりを作った。
浮気はしないって言ったのに、何で他の女とホテルに入ったの?
無理心中するよって言ったのに、警告までしてあげたのに。
全部、真が悪いんだよ。え、何?なにを言ってるのか、聞こえないよ。
無計画な殺人行為。
ヘタリと座りこんだ私に手を伸ばそうとしてくる真。そんなに必死になるくらい、苦しいの?
てゆうか、案外しぶといんだね。
真を引き寄せ、自分の腕で抱き締めた。嬉しそうに顔を緩ませ、真はこう呟く。
「…好、きだ。」
今更だね。分かってたよ。
あれ?じゃあ私、何でこんな事しちゃったんだろ?
真の瞼がゆっくりと閉ざされる。
その口元には血がこびり付いていて、それが酷く綺麗だと思えた。
舌を出して舐めてみた。鉄の味の中に混ざる、苦い味。
コーヒーか、それとも毒か。
胃から這い上がる、赤黒い液体が口からゴプリ、音を立てて溢れた。
真を抱きしめるようにして、私は鈍い音とともに床に倒れ込む。
意識が朦朧としてとても苦しかった。無理心中するって言ったけど、何か違うなぁ。
目の前が霞む。
視界の端に写った、真の幸せそうな青白い顔。
嗚呼もう、滑稽だ。自分も彼も。
.
13gの毒を盛る。
(気付かれぬよう、悟られぬよう。貴方が何処かに逝かぬように。)
寂しい夜に 【相田リコ】→←1人じゃワルツは踊れない 【黄瀬涼太】
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佑輪(プロフ) - 凄く良かったです!ヤンデレ最高(*^_^*) (2014年9月20日 0時) (レス) id: c6735f12a1 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 宮地さんの「酷いね 悲しい」が感動的すぎる。・゜・(ノД`)・゜・。 (2014年8月14日 23時) (レス) id: 8fd6e620cf (このIDを非表示/違反報告)
奈倉(プロフ) - リクのやつありがとうございます!宮地先輩とても良かったです! (2014年8月13日 10時) (レス) id: 1c5694c1d7 (このIDを非表示/違反報告)
茉麻(プロフ) - mihoさん» ロスメモパロとのリクだったのでそうしました。間違ってませんよ! (2014年7月29日 20時) (レス) id: c6792bebe5 (このIDを非表示/違反報告)
★黒猫★ - アヤノかと思って・・・すいません!!!勝手なこと言って!!妄想なんで気にしないでください!! (2014年7月28日 18時) (レス) id: b80bd9c4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉麻 | 作成日時:2014年2月15日 23時