【黒バス】愛が溜まった水槽で溺死しよう。【短編集】

独占欲×支配欲　【赤司＆黄瀬】　※ヤンデレ注意 ページ14

「独占欲と支配欲ってどんな違いがあるの？」

「どんなって･･･Aっちにわかんない程度にあるんスよ。」

「･･･ますます分かんないんだけど。」

「わかんなくていいんスよ。オレだけが知ってればいい。」



愛おしむように、大事な物を壊さないように、黄瀬くんは私の頭を優しく撫でた。
私の首筋にはイエローベリルのネックレスがぶら下がっている。
誕生日に貰った物だ。



『オレと同じ色っスよ。』



そう、黄瀬くんは私の耳に甘く囁いた。

鼓膜のずっと奥に、その声が残っている。




＊＊＊




「独占欲と支配欲って、違いはあるの？」

「･･･そうだね。Aにわからない程度にはあるよ。」

「ふーん。」

「わからないだろう？それで良い。」



同じ質問を繰り返す。
どんな答えが返ってくるかは分かり切っているのに。

私の頬に掌を当てながら、赤司くんは悪戯っぽく微笑んだ。
とてもキレイな笑みだ。


私の髪には、真っ赤な薔薇の髪飾りが付けてある。

これもまた誕生日に貰った物だ。



『僕と同じ色だよ。綺麗だろう？』



妖艶な笑みを私に向けていたのを覚えている。







この２人に愛されているという感じは堪らない。

優越感が体中に駆け巡る。


あぁ、何て気分が良いのだろう。


浮気ではない。
まだどちらとも付き合っていないのだから。


いつか壊れる事がわかっているから、今のこの歪な関係を楽しむのだ。







『Aっちはどうしよっかなぁ。誰にも見せたくないから、閉じ込めちゃおうかな。』


『Aには何が似合うかな。首輪もいいし、足枷でもいい。逃げられないようにね。』







彼らの隠された狂気に気づきながら。







.







独占欲と支配欲。

(貴女は、この違いに気づけるでしょうか。)

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