約束 ページ13
「本当は怖いんだ。」
ぽつり、と消え入りそうな声で呟いたその言葉は、今までの貴方からは想像もできなかった
でも今はわかる。同じぐらい、とまではいかなくても伝わって来る
悲しいことに、自分の限界は自分が一番よく知っているものらしい。
「だって、一郎太が一度ここへ帰ってくる前までずっと治らないと思ってたんだ
それに治ったところで再発したらどうしよう、って思ってみたり
後遺症みたいなのが残ったりしたら...ってね」
淡々と語るものの、その瞳には影が落ちていて。
微かに声を発する口元に、微笑みなんか微量にも感じなかった
...それをどうにかできない俺にも、少し悔しさが残る
ヒロトさんや玲名さん、リュウジさんに瞳子さん。
あの人たちならなんて言葉をかけられるだろう？
俺がその人達に追いついてない、という問題じゃないんだ。
俺にだって、Aさんを安心させてあげることはできるはず。
...なら、なんて言葉を言う？それは誰として言うんだ？
狩屋マサキ、として？ それとも 家族 として？
...どれだとしても、きっと言えるのはこれだけだろう。
自問自答した結果がこれだから、笑わないで聞いて欲しい。
「...Aさん、少しだけ目を
「...なぁに？」
言われるがまま、貴方はすっと目を閉じた
生きているのかが不安なら、どうにしてでも生きていたいと思わせればいい
だから、最後になるかもしれないワガママを貴方に残してやるんだ
きっと生真面目な貴方は、嫌でも叶えに来てくれるから。
「...Aさん、覚えてますか？
俺がサッカーをしている姿を...試合を見に来て欲しいって言ったこと」
「...うん。今でもちゃんと覚えてる」
「テストの話をして、俺が驚くような点数を取ってくるって言った時
オールで100点か成績表オール５って、言ったこともありましたよね」
「...ふふっ、そんなこともあったね。」
「...ミサンガに、お願いしたのも。」
「...うん。」
目を閉じている貴方には、きっとわからないだろうけど
今、凄く堪えてるんですよ？
網膜はズキズキ痛むような焼けるような感じがずっとして、鼻の奥はつん、と痛みが走る
声が震えてないか、とても心配だ。
「...どれ一つ、まだ叶ってないんです」
「...」
「...Aさん、俺に全部叶えさせてください」
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夜月桜 - な、泣ける。・゜・(ノД`)・゜・。 小説でこんなに感動したことないです(>_<) (2017年3月29日 20時) (
レス) id: 889de71093 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - Mmさん» こちらこそよろしくお願いします！よろしかったら他作品もよろしくお願い致します。 (2015年1月3日 20時) (レス) id: 2725121de3 (このIDを非表示/違反報告)
Mm - よろしくお願いします! 更新頑張ってください!! (2015年1月3日 16時) (レス) id: 5a5650f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - Mmさん» コメントありがとうございます！もうすぐラストなので、この雰囲気を保ちつつ納得がいくエンドをかけるよう頑張りたいです。更新も張り切りますので今後もよろしくお願い致します。 (2015年1月2日 15時) (レス) id: 2725121de3 (このIDを非表示/違反報告)
Mm - すごく良かったです!読んでるとき涙がでてきてもう大変でした笑 更新待ってます＾＾ (2015年1月2日 15時) (レス) id: 5a5650f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2014年9月20日 20時
