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sn「はい。治療おしまい。もう無理しないでね。」
「お手数お掛けしました。ありがとうございます。」
いよいよ傷も塞がり、自由に動けるようになった。
あの日の悔しさをバネに、また訓練に励むつもりだ。本当は、戦争なんかしたくはないが、いつ暴動や喧嘩を吹っ掛けられても対処できるようにしておくべきだ。
sn「そういや、グルッペンから誘われたんだって?幹部にならないかーって。」
「あ…そうでしたね。ありがたいお話ではありますけど、やはりお断りしようと思います。」
sn「ここの軍、ただでさえ幹部の人数多い上に男だらけの中に女の子1人ポイッとか、ないよねぇ」
呆れた顔でしんぺい神様は話す。
「別に、それに関してはなんとも思いませんが、やはり軍を支える柱にはなりかねます。非力な私よりも優秀な軍人はいらっしゃっいますから。」
sn「ふーん。俺はそう思わないけどねぇ。」
そう言いながらマグカップに注がれたコーヒーを飲む。そんな会話をしていた時、ふと思い出したことがあった。
「すみません、呼び出されていたのを忘れていました。しんぺい神様、これで失礼します。」
sn「ん。もう怪我しないでねー。あと、ペ神って呼んでくれると嬉しいかなー!」
「か、考えて、おきます…。」
医務室を出て、あの方の部屋へ向かう。
「オスマン様、…Aです。」
シーン…と静まり返る扉。珍しい、留守だろうか。はたまた睡眠時間だったろうか。なんにせよ、返事がなければどうしようもない。
そういえば…
shp『ひとらんらんさんは知っとる?』
『オスマン様の護衛としてたまに見かけます。』
shp『あの人、植物園でよく植物とか野菜とか、あと動物のお世話しとるんよ。Aなら、何も言われんだろうし、今度行ってみれば?』
そんな会話をしたこともあった。あの日ほどではなくなったが、ショッピさんは、すれ違えばよく話しかけてくれるようになった。
以前は同僚とも最低限しか話さなかった私にとっては、人に話しかけてもらえることは、なんだか嬉しいことだった。
「お邪魔させて、いただこうかな。」
私は踵を返して、植物園に向かって歩き始めた。
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あまね(プロフ) - 神でしょ! (10月2日 22時) (レス) @page38 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ノノルア(プロフ) - 初コメ失礼します!完結おめでとうございます!とっとってもおもしろくてまた読みたいなと思える作品でした!素敵な作品をありがとうございました! (6月18日 13時) (レス) @page38 id: 3a2fea500c (このIDを非表示/違反報告)
ユキシラ(プロフ) - 初コメ失礼します!完結おめでとうございます!!すごく感動しました!素敵な作品ありがとうございました! (2023年2月18日 20時) (レス) @page38 id: bf38fda11f (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当に最高でした! (2023年2月18日 19時) (レス) @page38 id: d6f8a4c568 (このIDを非表示/違反報告)
オタクnowだ!(プロフ) - マンちゃんカワ(・∀・)イイ!! (2022年12月23日 17時) (レス) id: e80884ff4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:CLEAR | 作成日時:2022年11月28日 17時