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『……うわ、本当にいた』



出来ることなら居ないで欲しかったのに。

そんな私の願望も露知らず赤髪の彼は私を見るなり寄りかかっていた門から背を離し、“ども”なんて会釈する。




「…遅くないっすか」

『だから帰ってて良かったんだって』

「そーゆーのじゃなくて」





ならどう言うのだ。





「女子がこんな時間に1人で帰るってやばいっすよ」

『そう?』

「自覚なし?やば」




なんか声色的に馬鹿にされたような気がしなくも無いがまぁ目を瞑ってやろう。




『普通に考えて選手のコンディションの方が大事じゃん?だから遠慮せず先帰ってもらってるんだよね』




羅古捨実業高校サッカー部は強豪校なだけあって全国、更にはプロ、世界を狙ってる選手も居る。

毎日レギュラーやスタメンの座を狙って死ぬ物狂いで練習に励む彼等がマネを待っていて身体冷やして風邪引きました。とか疲労貯めて怪我しました。とか全くもって笑えない




『片付けとか備品整理は私でもできるからね。選手はとっとと帰って休めって感じ』

「……そーゆー事ね」

『なに?』

「いや、先輩が姐さんって呼ばれる理由が分かっただけです」




あー、そう言えばなんで私って同級生と先輩から姐さんとか姐様とか呼ばれてるんだろ

自分でも分からないや。






「でも本当に、マジで、冗談抜きで危ないんで夜道の1人歩きは止めて下さい」

『えーーー』

「先輩可愛いんで襲われます」

『……は?』





襲う?
私を?
趣味悪いな


と言うか既に1年間はこれで乗り切ったぞ?




「ほんっっと、自覚ねぇな……(ボソッ)」

『なに!?』

「あーもう!!埒明かねぇ!!早く帰りますよ!」



なんでコイツは急にキレ始めた。
と言うか小声で何を言った。



……おい待て何故腕を引っ張る




『送んなくていいから!直帰して!!』

「黙って送られてろ下さい。この時間無駄なの気づきません?」

『千切が今すぐ腕を離して直帰すれば済む話だから!』




私も頑固だけど千切も相当頑固だ。
折れてしまえばこの無駄な時間も終わるが、千切豹馬と言う黄金選手に負荷をかけさせる事になる。

そんなの私のマネージャー魂が黙ってない





「〜っ!!じゃあ!先輩が!俺の!面倒を!見てください!」

『はぁ!?』

「俺が毎日先輩と帰るんで、その分先輩は練習後とか俺のケアしてください」




“これでお相子でしょ?”なんて生意気に笑う千切





「あと、これ以上は譲らないんで」

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かまぼこ(プロフ) - 志希さん» わぁありがとうございます!!ゆっくりと更新してまいります! (2月29日 16時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - 大好きな作品です!主様のペースでゆっくり頑張ってください(*´˘`*) (2月27日 0時) (レス) @page26 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ(プロフ) - 夜月 サキさん» 更新お待ちさせてしまって申し訳ないです…。今後も本作品をよろしくお願いします! (2月12日 19時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 続き気になる〜 (2月12日 13時) (レス) @page24 id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこ | 作成日時:2023年8月1日 22時

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