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桜が風で散っていく4月上旬


まだ少し冷たい空気に耐えかねてジャージのチャックを1番上まで上げ、口元を隠し、必要なものだけ持ってグラウンドへ向かう



のそのそと歩く私と相反して周囲の部員はどこか浮ついていて、緊張しているのか、焦っているのか、不安なのか


_____或いは楽しみなのか。


それはまぁ人によるけど






グラウンドの一角に集まっている人達は俗に言う“新入生”で、彼らの情緒を不安定にしている要因である。



『(……どんな面子が揃ったのかしら)』




期待値の高い子が居ると嬉しい

……あぁでもアイツらみたいなのだと困っちゃうな





「俺たちが敬われる時が来た!!と、お兄は言ってる!!」

「ンフフ」





ほら出た





「無視するな!と、お兄は怒っている!!」

『うるさい鰐間弟早く行け』

「お兄と俺は一心同体!1人では行かない!!」

『なら2人で逝け』




相も変わらず耳が割れそうな爆音で喋りやがって




「おいどこに行く!!と、お兄は聞いている!!」

『備品準備。せっかくの機会だしあんた達は1年生達と交流してきなよ。部の事とかちゃんと教えてあげな』




幸いにも監督が来るまでにはまだ時間があるし、練習前に部員達に少しでも1年生と交流してもらいたい。

お互い緊張しているだろうし、1年生に関しては分からないことだらけだろうし。




……って言うのは建前で本当は兄弟から離れたかっただけ。
ごめんね1年生。変なの送り付けちゃって。




あの兄弟が何かやらかしそうな気もしなくは無いけれど、相手は1年生だし問題は起きないだろう





そう予想して私は備品準備に勤しむ。





ボールを出して、
部員達のドリンクを用意し、
タイマーの電源を入れた_____



時だった。






「姐さん!!やばい!!」




1人の2年部員が慌ててこちらにやってくる。
顔は青ざめ、語彙力を無くし、やばいしか言わない部員




「やばいよ!やばい!!!」

『何が〜』

「鰐間が!!ぁぁあ、アレ!!!」





最早説明することさえ諦めて腕をぶん回し、コートの方を指さす彼





セットしていたタイマーから顔を上げ、指し示された方へ視線を向けた刹那、目に飛び込んだのは
















赤髪の子が一瞬で兄弟を抜く














その瞬間だった

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かまぼこ(プロフ) - 志希さん» わぁありがとうございます!!ゆっくりと更新してまいります! (2月29日 16時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - 大好きな作品です!主様のペースでゆっくり頑張ってください(*´˘`*) (2月27日 0時) (レス) @page26 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ(プロフ) - 夜月 サキさん» 更新お待ちさせてしまって申し訳ないです…。今後も本作品をよろしくお願いします! (2月12日 19時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 続き気になる〜 (2月12日 13時) (レス) @page24 id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこ | 作成日時:2023年8月1日 22時

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