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「なぁ」
『うん?』
「……俺には何か無いわけ?…ィッ!!」
何かってなんだ。
そう悩みながら暗くなった空を見上げる
『ストレッチちゃんとしなよ〜。足の筋肉の付き方とか他の人と違うっぽいから壊さないようにね』
「はぁ!?まさか他の男の体さわ、ッ!!」
『他の選手のマッサージだってしますからね〜』
先程からちょいちょい悲鳴を上げる千切は絶賛マッサージ中である。私の。
と言っても筋肉解して疲労を取る程度だから効果なんて無に等しい
「今日の練習の後、野郎共が泣いて縋って構い倒してたくせにレギュラー入り果たした俺には何にもない訳?」
『それは帰宅中って言ったやん』
「労いとかッ……!……ねぇの?」
うつ伏せで大人しく身を委ねていた千切は不機嫌そうに振り返る
『レギュラーで喜んでるなら二流以下だよ』
「ちげぇッ!…って。もっと俺を見ろっつてんの!」
今日はまた随分と敬語が外れることで。
……反抗期の子供っぽくて可愛いな
『存外ちゃんと見てるよ。1年でケアまでしてるの千切ぐらいなもんよ?』
「……2、3年の面倒ばっかじゃん」
『そりゃ1年長く見てるからね』
思い入れは今の1年より遥かに強いと思う
『……でもまぁ、これからじゃない?』
「は?」
『これでも私、才能に溢れた人のサポするの好きなもんで』
その言葉に動きを止めた千切に“終わり”と告げて手入れのいき通った赤髪を撫でる
身体を起こした拍子に細められる瞳と、不敵に上がる口角
「ちゃんと見とけよ?」
『はいはい』
「……俺も本気なんで」
余裕かまして先輩風吹かしているが私も
____存外滾っているかもしれない
目の前で飢える赤い豹の成長を間近で見られるんだから
「先輩のこと全国まで連れて行きます」
『ははっ、頼もし〜』
けどそれはこれから入ってくる1年生のマネージャー達に言って欲しいな。
千切に言われたら皆喜ぶよ。
……私?
私は鰐間達辺りに言って貰えたら嬉しいかもしれない
だってほら。自分と同じ代の選手に連れてって貰いたいじゃん。
「……約束、やっぱ今ここで聞いて貰っていいすか?」
『別にいいけど』
多分だけど
いつ、どこで聞こうが大した変化は無いだろうし
「_____
_____くれません?」
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かまぼこ(プロフ) - 志希さん» わぁありがとうございます!!ゆっくりと更新してまいります! (2月29日 16時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - 大好きな作品です!主様のペースでゆっくり頑張ってください(*´˘`*) (2月27日 0時) (レス) @page26 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ(プロフ) - 夜月 サキさん» 更新お待ちさせてしまって申し訳ないです…。今後も本作品をよろしくお願いします! (2月12日 19時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 続き気になる〜 (2月12日 13時) (レス) @page24 id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ | 作成日時:2023年8月1日 22時