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____約束覚えてますよね?
____もちろん
あれから2日後、
私たち晴天の下でそんな会話をしていた
「……じゃ、また
『……はいはい』
耳の奥まで届くような熱を帯びた声で囁いた彼は監督に呼ばれて足早に去っていく。
つい数分前に行われた練習試合のレギュラー発表
結果的に天才・千切豹馬はレギュラーに選出された。
ようやく千切の本格指導に入れると浮き足立った監督により1番最初に名前を呼ばれた彼は全メンバー発表後、すぐさま私の前に現れ、冒頭の会話に至った
「ケッ、結局千切もレギュラーかよ!!」
『初日にエースだったあんた達に勝ったらそうもなるよ』
「過去形にするな!!とお兄は言ってる!!」
いや、まだ諦めてなかったんかい。
『レギュラーが決まる前は“1年”扱いできたけどね。決まった以上、千切がエースだよ』
「俺はまだ認めてないからな!!!」
コート上では年齢ではなく、強い者がその場を制する
皆それを分かっているからこそ、
千切のレギュラー入りが怖かったのだ。
自分が否定される事が当然になる恐怖。
今、私の視界の端で俯く同学年、或いは先輩方はそれを抱えていた
『(……全く)』
首に下げていたホイッスルを口に含み、
部員に向けてビィィィーーーッと警笛を鳴らす
『……失望させないで下さい』
程々に張り上げた声に選手はバッと顔を上げる。
その顔には焦りや、悲しみや、怒りなど様々な感情を湛えていた
『今の貴方達がすべき事は悲しむ事ではないでしょう?』
「おい!!いくらなんでも___」
『敗北は正しく受け止める事でのみ成長に繋がります。現実逃避の先に待つのは正当化された地獄のみ』
“俺は実力はあったけど運が無かった。だから夢を諦めた”
他人に責任を全て押し付けて、さも本当なら実現出来ました〜感をひけらかして永遠に手に入ることの無い夢を見て悶えるのだけ
『あの鰐間達でさえ、結果を結果として受け止め練習に励んでいます』
今でもプンスカしているが、彼らは初日の悔しさをバネにがむしゃらに今を貫いている
『地を這う悔しさを練習にぶつけて下さい。そうやって上にのし上がる人を私は支えます』
それが“貴方たちの”マネージャーだから
『……泣き言は練習後に。
全て私が受け止めます』
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かまぼこ(プロフ) - 志希さん» わぁありがとうございます!!ゆっくりと更新してまいります! (2月29日 16時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - 大好きな作品です!主様のペースでゆっくり頑張ってください(*´˘`*) (2月27日 0時) (レス) @page26 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ(プロフ) - 夜月 サキさん» 更新お待ちさせてしまって申し訳ないです…。今後も本作品をよろしくお願いします! (2月12日 19時) (レス) id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 続き気になる〜 (2月12日 13時) (レス) @page24 id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ | 作成日時:2023年8月1日 22時