首謀者 〜1〜 ページ1
「ジェイド先輩。クルーウェル先生の傷薬、持ってきました…」
「Aさんありがとうございます」
Aがジェイドの傷口に薬を塗り、手当てしていく。
「フロイド先輩、大丈夫でしょうか…」
「リドルさんもアズールも付いていますから、心配いらないですよ」
フロイドがキッチンから飛び出して噴水へ向かってしまい、キッチンは三人になっていた。
「フロイド先輩、メッチャ足速かったッスね…。それに相手の攻撃魔法を撃ち返すって凄くないッスか?」
「それがフロイドのユニーク魔法なんですよ。厳密に言うと、逸らすだけですがね」
「いや〜、俺には到底マネ出来ないッスわ…」
「ふふふ。真似ではユニーク魔法になりませんよ、セナさん。さて、僕たちはフロイドが戻ってくるまで作業を進めておきましょう」
手当が終わり、プリン作りを進める。
「でも…、犯人が誰なのか、気になります」
Aが呟いた。
「俺も気になるッス…」
「二人とも大丈夫ですよ。リドルさんとアズールが、きちんと対応してくれますから。そのうち詳細を報告に来てくれますよ」
ジェイドはまるで先の事を分かっているかのように答えた。
その頃、噴水の前では。
「お前が誰だろうとオレには関係ねーんだよ。オレたちの邪魔したことと、ジェイドに怪我させたこと、オレが後悔させてやるからさぁっ」
フロイドが遂に両手で男の首を絞め始めた。
「フロイドっ!やめないかっ!言う事を聞かないのなら、お前の首もはねてやるっ!」
フロイドはリドルの言葉を無視した。
リドルのユニーク魔法で首輪を付けられた男の首を、更にフロイドが絞めていく。
「がはぁっ…!」
「もう終わりぃ?」
男が息をする事も難しくなってきた。
それでもフロイドはやめない。
「フロイド…!手を離しなさい…!寮長…命令です…」
息を切らせながらやっと噴水の前まで走って来たアズールがフロイドに叫んだ。
「あぁっ?」
アズールの声にフロイドが振り返った。
「その男はどのみち警察に引き渡されるでしょう。それに、フロイドは早くキッチンに戻りなさい」
「うるせー、アズール!」
「寮長命令が聞けないのですか?お前はこんなところで油を売っている場合ではないのですよっ。早くキッチンへ戻りなさい、フロイド!」
「…チッ……」
険しい顔をしたフロイドが、男から手を離し立ち上がる。
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魅樹(プロフ) - 五月雨さん» 五月雨様 ありがとうございます。いつも読んで頂いてとても嬉しいです。コメントを糧に、これからも書き続けていきます。引き続き読んで頂けたら嬉しいです。 (2023年2月12日 22時) (レス) id: e979216df4 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨(プロフ) - うわぁ こんな展開になるなんて…ほんと涙出てきちゃいました。相変わらず素敵な作品ですねぇ〜これからも体調に気をつけて頑張ってください!あと、夢小説を荒らすやつにも気をつけてくださいね (2023年2月12日 21時) (レス) @page40 id: 5406dac44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年2月8日 12時