施設完成 〜1〜 ページ8
フロイドはテレビを消した。
「オレたちの知ってもらたい事は全部事務所から発表してるし、オレからだってマジカメで発信してんだよ…。それだけじゃダメなの？」
「有名になるって、こういう事なんだよ…。きっと…」
「ファンのお陰で人気になれてんだから、オレの事を知られるのは覚悟してるし…。Aにも同じ思いさせちゃってるけどさ…」
「それは承知の上だよ。今更でしょ？」
「うん…。ありがと…」
「それに、ファンが出来るって結局のところフロイド君が自分で掴み取った実力の結果だと思う」
「オレはもっと…上に行く。次の大会も優勝するし、3年後の世界大会2連覇も狙う。この前の2連覇だけで満足なんか出来ねぇよ。周りがもっと期待するなら、それに応えるのがオレの仕事だろ？」
「うん。フロイド君のルックスでやられちゃってるファンの為の仕事もあるけどね？」
「それもやる。いやらしい話だけど、そこからの収入がデカいのは確かだしね」
「現実だからいやらしくもなんともないよ。私はフロイド君のCM観るの好きだよ」
「妬いてたくせにぃ〜」
「あれはっ…、聞いてないくらいの…接近だったからで…」
「あははっ。カワイイねぇ〜」
「うわぁっ、フロイド君っ！」
「結婚2日目記念でA抱く〜っ」
「ちょっとーっ……んんっ……」
時は流れ、２人が結婚して半年が経った。
今日はパルクール施設がオープンする日だった。
「フロイドくーんっ！」
「フロイドーっ」
「カッコイイ〜っ」
施設に到着したフロイドが車から降りると一斉にファンたちが騒ぎ出した。
「どーもぉ〜。いつも応援ありがとね〜」
フロイドがいつも通り笑顔で手を振る。
車から施設の入口までは少し距離がある。
その間の道は、ファンで埋め尽くされている。
皆、生フロイドを写真に収める。
「大会優勝おめでとう〜」
そんな声もちらほら聞こえてくる。
この半年間で大会が２度あった。
１つの大会は今年初めて開催された大会で、フロイドはそれを優勝した。
もう１つの大会は、フリースタイルだ。
フロイドは今までタイムを競うスピード種目しか出場していなかったが、今回初挑戦でフリースタイルに挑んだ。
それも見事に優勝した。
施設内に入ると、多くの人たちが館内を忙しなく走り回っていた。
「フロイドはこっちよ」
メグに案内され、長い廊下の一番奥にある部屋に通された。
「おはようございます」
「あ、おはよー」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：魅樹 | 作成日時：2023年6月15日 10時
