再出発 〜7〜 ページ48
世界大会が終わり、3ヶ月が経った。
「今度ね、ミルクのCMの撮影あるんだよ〜」
「赤ちゃんのミルク?まだ早くない?」
「流す頃にはぁ、赤ちゃん産まれてると思うよ」
「そっかぁ…。うふふ…。パルクール世界ランキング1位のフロイド・リーチが、赤ちゃんのミルクのCMかぁ」
「うん。いつまで世界ランキング1位になってられるか分かんないけど、とにかく頑張るね」
「ありがと、フロイド君」
「もうすぐ…、会えるね…」
「うん」
「男の子…」
「パルクール、やらせるの?」
「それは自分で決める事だよ。オレはムリにやらせるつもりはないよ〜」
「そうだね。……男の子だから、きっと私に似てるかな?」
「えー?ちっちぇーのは似なくていーんじゃねぇ?」
「そう?」
「顔とぉ、優しいとこ。それは似てて欲しいなぁ…」
「フロイド君みたいな気分屋だったら、大変だもんね〜」
「それはそれで個性があっていーじゃーんっ」
「うふふ…。どんな子でも、私達の子どもだよ。可愛くない訳ないもん」
「当たり前だよ…」
「早く会いたいね」
「うん。そしたら…、オレはAとこの子を一生守って行くからね…」
「うん」
そして。
──今日の早朝、オレとAの赤ちゃんが無事に産まれました。
男の子です。
やっぱりAに似てるよねぇ。
Aも赤ちゃんも元気です。
ちょうどオフの日に産まれてくれたので、出産に立ち会う事が出来ました。
産まれて来る時から親孝行だよね〜。
まだオレがパパになったって実感が湧かないけど、父親としても頑張ります。
もうすぐ大会もあるので練習も気合い入れて頑張る〜!
これからも、みなさんの応援、よろしくお願いします。
あ、そうだ。
モストロ・ラウンジで、ジェイドが『甥っ子誕生記念』って言うメニューを今日から期間限定でやるみたいなので、もし良かったら、お店に食べに行ってやってください。
フロイド・リーチ──
「ふっふっふっ…。いいねの数とお祝いコメントが凄い事になっちゃったわ。パンクしなきゃ良いけど」
スマホをスーツのポケットにしまい、メグは病院の廊下をツカツカと歩いて行った。
──完──
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時