再出発 〜3〜 ページ44
フロイドが立ち上がり、歩き始めた。
「メグどこにいるの?」
「ご案内します」
「へぇ〜。言葉遣い、徹底してんじゃん」
「俺の選手生命は終わりました。それを監督が拾ってくれて、新たな気持ちでスタートさせたいと思ったんです。それに、マネージャーとしては、一番下っ端のペーペーですから…」
「なるほどねぇ〜。メグ、厳しいでしょ〜」
「ええ…。とても…厳しく指導して頂いてます」
「ふーん」
「いつか俺をサムさんの専属マネージャーとして使ってくれると聞いていますので、期待を裏切らないように努力していきます」
「頑張ってね〜」
「ありがとうございます。フロイドさんこそ、これからの活躍、応援しています」
「なーんか…調子狂うなぁ…。キーズなのにキーズじゃ無い感じぃ〜?」
「すぐに慣れますよ…」
「うん。そーだね〜…。サムの事、頼んだよ〜」
「はいっ」
キーズに案内され、フロイドは会議室に入った。
そこには監督とメグがいた。
「キーズ。あなたは選手たちの身の回りの補助に行ってきて。何かあったら私に連絡を」
「はいっ。分かりました」
キーズは会議室を出て行った。
「キーズすげぇ変わったねぇ」
「新人マネージャーなんて、あんなもんよ」
「ふーん」
「フロイド。座れ」
監督に言われ、フロイドが2人の向かいに座る。
「先程、運営委員から連絡があり、ドーピングが不正に行なわれたと判断され、お前の大会失格処分の取消しが決定したそうだ」
「……今更ねぇ…」
「大会で繰り上がった選手たちは結局最初の結果に戻される。フロイド、お前が優勝だ」
「今更過ぎるだろ…。こんな三連覇、嬉しくもなんともねぇよ…」
「そうだな…。記録上はフロイドの三連覇達成、それと、大会タイムの記録も正式に更新されることになる」
「なんか別の世界で起きてることみたーい…」
フロイドは腕を組んで天井を見上げた。
「まるで拗ねてる子供みたいよ?」
「拗ねてねぇよ…」
「まぁ、アンタの気持ちも分かるわ」
「それに伴い、連盟もフロイドの選手登録抹消の取消しを決定した。このあと正式に運営委員と連盟から発表されるぞ」
「で。オレはいつから復帰出来んの?」
「取消しはすぐに行われる。来週にはお前は正式なパルクール選手として復帰だ。良かったな」
「……他の仕事は…?」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時