犯人探し 〜15〜 ページ41
「そうですか…」
「サムさん。今回の不正、どうやって行われたのか、もうおわかりですね?」
「はい。闇魔法士マルコと呼ばれる人物が、ニコルさんから依頼を受け、ドーピング検査の施設の外から空間認識魔法を使い、予め用意しておいた禁止薬が付着した検査容器を、フロイドさんが容器を選んだ直後に魔法ですり替えた。ですか?」
「恐らく。マルコが全て吐けば分かることです」
「でも、マルコは正直に話しますかね?」
「もう魔力はほとんど残っていません。真相を隠し通す必要もなくなるでしょう」
「魔力がほとんど残ってないって…」
「魔法士が魔法を使って悪い事をすると、神様が怒ってその魔法士から魔力を奪い取る。そんな話、聞いた事無いですか?」
ジェイドがニコニコしながらサムに聞いた。
「初耳です…。そんな事が実際に起こるんですか?」
「先程、まさにマルコがそうなったでしょう?」
「……はい…。本当に魔力はほとんど残ってないんですか?」
「ええ。実際、僕たちは学園でそれを目の当たりにしたこともありますよ」
「やっぱり…ナイトレイブンカレッジって…、物凄い優秀な魔法士が集まるところなんですね…」
「まぁね〜」
その後、ニコルは結局大人しく罪を認め、マルコもどの様な方法で検査容器をすり替えたのか、全て警察に話した。
警察がこれを世間に発表。
今度はニコルとニコルの父親へのバッシングが始まった。
打撃を受けた企業は皆、ニコルに損害賠償等を要求した。
もちろんこの支払いは父親がする羽目になる。
『同じチームにこんな事する人がいるなんてねぇ…。リーチ選手が可哀想ですよ…』
『自分勝手過ぎます。危うくフロイドの選手生命が断たれるところだったのに。良くこんな事出来ましたよね』
『チームもこんなヤツがいるって気付かなかったのもおかしいんじゃない?チームにも責任あると思います』
『絶対フロイドが戻って来ると信じてました!』
世の中のフロイドへの風当たりは180度変わった。
運営委員は動かざるを得なくなった。
第三者委員会と検証し、独自に事実確認をしていく。
警察立会のもと、ニコルへの聴き取り調査も行った。
警察からマルコの調査報告も受けた。
そして、やっと運営委員がコメントを発表した。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時