犯人探し 〜12〜 ページ38
「みんな魔法士を使って不正をするなんて考えないと思ってました。でも、さっき…、そうじゃないって気づいて…。ヤバイって思いました。だけど、捕まったら捕まったで、またパパにお金でもみ消して貰えば済む事だし、別に良いかなって…。ただ…、キーズに嫌われるのは…怖い…」
「既に距離を置かれているのでしょう?」
「はい。でも、この俺のキーズへの思いは…、きっと…伝わる…」
「なるほど…。分かりました。あなたには警察署で更に詳しい話を聞かせてもらいます」
「分かりました」
警察が聴き取りを終えた。
気付くとサムの隣にはジェイドがいた。
「ジェイドさんっ…」
「少々の野暮用でしたので、もう戻りましたよ」
警察がため息をつく。
「はぁ…。肝心の闇魔法士のマルコの所在がなぁ…」
「魔法対策課と連携して捜査しますか?」
「そうだなぁ…」
2人の刑事が頭を抱える。
「マルコと言う闇魔法士でしたら、隣の部屋で寝ていますよ」
「は?」
ジェイドの言葉に刑事が眉根を寄せた。
「嘘だと思うなら、ニコルさんと確認してください。隣の部屋で寝ている人が、闇魔法士マルコなのかどうか、正直に答えてくださいますよ。ねぇ、ニコルさん?」
「はい。俺はマルコの顔は分かります」
「そ…、そうですか…。では…」
「こちらです」
ジェイドが刑事たちを隣の部屋に案内する。
間もなくして。
「何で俺が警察に行かなくちゃならないんだっ!ドーピングはフロイドが自分でやったことだろっ!」
「どうしたんです、ニコルさんっ!先程まであんなに素直に我々の質問に答えていたのに」
「離せっ!離さないとパパに言いつけてお前らみんなクビにしてやるっ!」
「は?何を言っているんですか?」
「俺のパパは色んな偉い人と友達なんだっ!警察の偉い人とも友達なんだよっ」
「おやおや…。こちらが本当のニコルさんの姿のようですねぇ」
ジェイドが微笑みながら暴れるニコルを見る。
「そんなの通用しませんよ。それに、この男はあなたがマルコだと確認してくれたでしょう」
「知るかっ!とにかく離せーっ!」
ニコルはこのまま警察に連れて行かれた。
間もなくして魔法対策課の警察も来て、フロイドへの不正の関与を認め、マルコを連行していった。
「サムさん。ありがとうございました。あなたのお陰で真実を見つける事が出来ました」
「ええ。しかも犯人の父親があの有名な投資家だったとは…。これは損害賠償と慰謝料を払って貰わなければ」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時