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苦悩 〜6〜 ページ20

予選は2回タイムを測る。
トーナメント戦と同じコースを使用するので2人ずつ行っていく。
自分が相手より遅くゴールしても、上位15人に入れる可能性が残る事もある。



予選当日。

午前中から予選が始まり、夕方には結果が出る。
フロイドは予選を見ることなく練習をする。

そして夜。
夕食前、選手たちはホテルの一室に作ったミーティング室にいた。

「キーズっ。良くやったなぁっ」

「去年はダメでしたけど、今年は去年より調子良いのが自分でも分かりましたよ」

監督がキーズにハグをした。

「ふーん…。予選15位ねぇ…」

ボードに貼り出した予選通過者リストを見ながらフロイドが呟いた。

「フロイド。俺だってこれくらいの実力はあるんだよ。お前だけが特別だと思うなよっ」

「はいはい…」

フロイドはキーズの言葉を聞き流し、椅子に座った。

「腹減った〜」

「もう少し待ちなさい。間もなくトーナメント戦の対戦相手が発表されるわ」

「Aは?」

「部屋にいると思うけど、行くの禁止っ」

「なんでだよぉ〜。別に抱きに行くわけじゃねぇだろ…」

「みんなの前で良くもあんな事をっ…」

キーズがボソッと呟き、フロイドを睨みつけた。

「キーズ…」

ニコルがキーズの背中を擦った。

この全体のやり取りを、サムは黙って見守っていた。

〜なんか、空気が悪い…〜




それから30分程して、トーナメント戦の対戦相手が発表された。
フロイドも含め、16人で予めクジのように番号を引く。
そしてトーナメント表にランダムで割り振られた数字と同じ番号に割当てられる。
誰が何番を引いたかは公表されない。
その為、選手たちも運営委員が発表するまで誰といつ対戦するのか分からないようになっている。

「なんてこった…」

「チッ…」

監督とキーズがトーナメント表を見て眉根を寄せた。

「フロイド。キーズと対戦だ。しかも、1レース目だ」

椅子に座って暇そうにしてたフロイドが監督をチラッと見た。

「ふーん…」

フロイドは立ち上がり、ミーティング室を出て行こうとした。

「どこ行くの?」

「飯だろ?A呼んでくる」

「Aさんは私が呼ぶ。お前はここに残ってなさい」

メグはフロイドを部屋に押し込み、出て行った。

「キーズ…。明日は全力で…走り抜けろ…」

「はい…。監督…」

誰が見てもフロイドが圧勝するのは分かっている。
キーズの負けは決まっていた。

監督はトレーナーと他の選手の行動パターンについて話し始めた。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時

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