管理栄養士の料理 〜2〜 ページ2
2人は立ったまま一礼し、席に着いた。
それから司会者が何人ものお偉い方の挨拶を、順番に案内していく。
フロイドは相変わらずつまらなそうな顔をしている。
「これがいらねぇっつってんのにさぁ〜…。おっさんたちの挨拶、長いしつまんねぇし…」
「仕方ないよ…。それだけフロイド君が凄い人になっちゃったんだから」
高砂から2人が小さな声で声で話をしていた。
どの人たちも大手企業の社長だ。
自社の宣伝も所々入れ、難しい言葉を並べて自慢気に話していく。
挨拶だけで30分程かかってしまった。
そして、やっと乾杯の挨拶までやって来た。
「喉カラカラ〜…」
フロイドとAのシャンパングラスにシャンパンが注がれていく。
ゲストにも同じシャンパンが注がれる。
「飲んで良い?」
「ダメっ」
「飲みてぇ〜…」
「きっとアズール先輩は早く話終わらせてくれるからっ。それまで我慢しててねっ…」
自分たちの披露宴でも、このつまらなさに耐えられないフロイドは、更に乾杯前だと言うのにシャンパンを飲みたがっていた。
そんな中、アズールが登場した。
乾杯の挨拶はアズールがする。
『本日は、当店モストロ・ラウンジ ウエディングにお越し頂きありがとうございます。おや、失礼…。フロイドとAさんの結婚式だと言うのに、いつもの癖でついご挨拶を間違えてしまいました』
「嘘つけぇ〜っ!早くしろ〜っ!」
アズールの言葉にフロイドがツッコんだ。
会場内から笑いが起きる。
アズールの話はそれなりに面白く、何度も会場から笑いが起こった。
時にはフロイドやジェイドがツッコミを入れた。
『それでは、乾杯っ』
『乾杯っ!』
やっと乾杯までこぎつけた。
フロイドはシャンパンを一気飲みする。
「ちょっとフロイド君っ!」
「おかわりちょーだーいっ」
「かしこまりました」
「ふふふ。Aさん、フロイドがこれくらいでぶっ倒れる奴ではない事、あなたが一番ご存知でしょう?」
シャンパングラスを持って、早速ジェイドとアズールが来てくれた。
「特に、このシャンパン、選りすぐりの物を用意させました。他にもたくさんの種類がありますので、ご遠慮なく、好きなだけ飲んでくださいね」
「はい…。ありがとうございます…」
「ジェイドー。メグには飲ませんなよ〜」
「分かっていますよ」
Aがジェイドたちの席を見た。
「もう、遅いんじゃない?」
同じ席のメグがクリスを捕まえワインを飲んでいた。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時