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有名人の振る舞い 〜2〜 ページ41

それでもメグは何も言わない。

Aは気を遣う事が馬鹿馬鹿しくなり、フロイドの熱いキスに丁寧に応えた。

メグが見ていても良い。
そんな気分になってしまった。

〜皆が羨ましがるフロイド君と結婚するのは私っ……〜

そう思ったら、少し気分が良くなった。


「フロイド。おばちゃんたちが待ちくたびれちゃうぞ?」

「分かったよ…」

フロイドは最後に優しくキスをしてAから離れた。

「行ってらっしゃーい」

急にメグが笑顔でフロイドを送り出した。

「はいはい…」

フロイドの後ろをAが付いていく。

食堂の中へ入ると、おばちゃんたちとAの先輩が待っていた。

「あっ!フロイド様っ!」

「お待たせぇ〜」

おばちゃんたちにフロイドが笑顔で近付いていく。

「キャ〜っ!生フロイド〜っ!」

「ほっ…本物が…、目の前にっ…」

「何だよぉ〜。おばちゃんたちのためにオレここにきたんだよぉ?もっと喜んでよぉ〜」

「おばちゃんは良くないって…」

Aが呟いた。

「世界大会優勝、おめでとうございますっ!凄くカッコ良かったですよ!それと、昼間の会見も…、観ててスッキリしましたっ!」

目をキラキラさせたおばちゃんがフロイドに緊張しながら声を掛けた。

「うん。ありがと。それとぉ…、みんなさぁ、いつもAに優しくしてくれてぇ、ありがとね〜。Aからいつもおばちゃんたちの事、聞いてるよ〜。みんな良い人だって」

「そっ、そんなぁ…。こちらこそ…、いつもAさんが素晴らしい献立を考えてくれるお陰で…」

一人のおばちゃんがあまりにも嬉しすぎて言葉を詰まらせ泣いてしまった。

〜これが、本物のファン…〜

「何泣いてんのぉ〜?」

泣いているおばちゃんの前にフロイドが笑顔で近付いていく。

「だって…、本物のっ…」

「うん。オレ、本物のフロイド・リーチだよ」

フロイドがおばちゃんに手を差し出した。

「握手、してくれる?」

「いっ…良いんですかっ…?」

「いつもオレの事、応援してくれてるんでしょ?おばちゃんたちのお陰でオレもマジで頑張れてるんだよ?だから、せめて握手だけでもぉ」

「はいっ…」

おばちゃんは両手をエプロンで拭いてから恐る恐るフロイドの手を両手で握った。

「うわっ…。大きい…。温かい…」

フロイドと握手したおばちゃんの顔が見る見る明るくなる。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月6日 21時

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