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フロイド 復活 〜2〜 ページ18

「ジェイドー。もうオレ一人で歩くからいーよ〜」

「分かりました」

フロイドがジェイドの腕から手を離した。

「フロイド。お帰りなさい」

「アズールもいるのぉ〜?」

談話室から出てきたアズールがフロイドに声を掛けた。

「寮長がお出迎えしてはいけませんか?」

「別にぃ〜」

「僕は談話室の入口にいます。声を頼りに談話室を見つけてください」

「うん」

3人はフロイドが自力で談話室に入るのを見守った。

フロイドは右側の壁を見つけ、壁伝いに進む。

カツッ…

白杖がアズールの靴に当たった。

アズールはそのまま下がり、フロイドが入口を通れるスペースを作る。

「ここが入口です。中の間取りは分かりますよね?」

「うん。何も変えてないでしょ?」

「はい。超巨大ウツボのぬいぐるみもそのままです」

「おっけー」

フロイドは両手を使ってソファーを触る。
そしてフロイドが良く寝転がっていたソファーの場所まで辿り着いた。

「やっぱりここが落ち着くねぇ〜」

「うふふ。フロイド先輩はいつもそのソファーに寝転がっていますからね」

フロイドがソファーの高さを確認してゆっくり座った。

「どお?」

「及第点ですね」

「何でアズールがゆーんだよ〜っ」

「寮長ですから」

「意味分かんねぇ」

「ふふふ。さぁ、さっそくティータイムしましょう。とびきり美味しい紅茶、淹れますね」

「ジェイド先輩。お湯、沸いてますよ」

「さすがAさんです。ありがとうございます」

ジェイドがキッチンへ向かった。

「A。おいで」

フロイドがAの声がした方を向いて両手を広げた。

「はいっ」

「では、僕もジェイドのお手伝いでもしてきましょうかねぇ」

アズールもキッチンへ向かった。
Aとすれ違う時、アズールが微笑みながらうなずいた。

「ありがとうございます」

Aは小さな声でアズールにお礼を言った。
そしてフロイドの元へ行く。

「フロイド先輩っ…」

「A〜…」

フロイドの膝の上に乗り、抱きつく。

「いい匂い…」

「はい」

「また、ここで生活出来るねぇ〜」

「待ってましたよ…」

「うん。今夜から、一緒に寝れるね〜」

「はいっ」

「キス…していい?」

「はい」

フロイドが両手でAの顔を触る。
指で唇の位置を見つける。

「柔らかい…。ピンク色の唇…」

「はい」

そのままフロイドが唇を重ねた。
見えていなくても、今回は唇から外れる事は無かった。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月2日 17時

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