ジェイドの考え 〜2〜 ページ43
お湯が沸いた。
ジェイドが茶葉の入ったティーポットにお湯を注ぐ。
「格好良い…」
Aが呟いた。
「小エビちゃん。小エビちゃんの彼氏、オレだよ？」
「分かってますよ。ジェイド先輩のお湯の注ぎ方が格好良いって言っただけです」
「ほら。早速ヤキモチ焼いているではないですか」
ジェイドがフロイドを見て笑った。
「うるせぇなぁ…」
フロイドはAの色々な反応を試したかった。
どうすれば目覚めてくれるのか。
鍵は何なのか。
少しずつ探っていかなくてはならない。
深層心理ではフロイドへの思いは繋がったままのはずた。
早くそれを呼び覚まさなくてはいけない。
〜ジェイドが協力してくれれば手っ取り早いんだけどな…〜
しかし今のフロイドは素直にジェイドに頼む事は出来なかった。
協力してもらうには全てを話さなくてはならない。
〜ジェイドはどこまで知ってるんだ…？Aのマインドコントロールの事まで知っていたとしたら…。この態度…オレへの嫌がらせか？〜
兄弟でお互いを探り合う。
最悪な光景だ。
「さ。お茶が入りました。熱いうちにいただきましょう」
「ありがとうございます」
３人はティータイムを始めた。
フロイドは色々な事を考えていたのでお茶の味など分からなかった。
「Aさん。傷痕の調子はどうです？」
「はい。傷痕が薄くなってもフロイド先輩の毒を入れてもらうとくっきりと浮き出るんです。だから大丈夫ですよ」
「そうですか。それは良かったですねぇ。この世界から消えてしまうのは嫌なのでしょう？」
ジェイドが眉根を寄せて笑った。
「……そうですね…。それは…嫌です…」
「ジェイド。やめろ、その話は」
「僕は心配しているだけですよ。いずれはフロイドの毒も…」
「おいっ！」
フロイドが勢い良く立ち上がりジェイドに怒鳴った。
「いずれはフロイド先輩の毒も…、何ですか…？」
「小エビちゃんは何も心配しなくていーの」
「そこまで言われたら気になりますよ。ジェイド先輩。教えてくれませんか？」
「僕は構いませんが、フロイドが…。ねぇ…」
「ジェイドっ。ふざけんじゃねぇぞっ…」
「ふざけていたとしたら、僕をどうするのです？殴りますか？それとも、絞めますか？」
「………」
「フロイドはすぐ勢いに任せて先走る。先の事を考えずに進んで行くから行き詰まるのですよ。今のようにね…。いい加減、現実を見たらどうです？」
「あの…、何の話しですか…？」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年5月1日 15時
