フロイドの毒 〜3〜 ページ9
Aの部屋に入り、フロイドがAをベッドに寝かせた。
「オレも、そこのソファーで寝るから、心配しないでね」
「はい…」
「ウツボのぬいぐるみ、久しぶりでしょ?」
「そうですね…」
「それ抱っこして寝れば、ぐっすり朝まで眠れるよ」
フロイドがAの頬を触った。
「小エビちゃん、もしかし、熱ある?」
「えっ?」
「なんか、ほっぺがあったかいよ…」
「頭は痛いけど…、熱っぽさは…」
「体温計持ってくる」
フロイドが急いで体温計を持って来た。
「ありがとうございます…」
Aが検温する。
少しして、体温計を見てみる。
「37.5℃…」
「熱あるじゃん…」
「これくらいは微熱ですよ…。疲れた日とかにも良くある事ですよ…」
「ダメ!熱は熱でしょ…」
「痛み止めも飲んだし、熱も寝れば下がると思います」
「うん…。明日、休みで良かったね…」
「はい…」
「もう、何も喋らなくて良いから、目閉じなよ」
「はい…」
Aはウツボの抱き枕を抱いて目を閉じた。
「何かあったらオレ呼んでね。ここにいるから…」
「はい…」
フロイドが床に膝をついてAの頭をポンポン撫でる。
「しばらく…、撫でていてくれませんか…」
「うん」
フロイドはいい匂いを嗅ぐのを我慢して、Aが眠りにつくまで頭を撫で続けた。
少しすると、Aの寝息が聞こえてきた。
「おやすみ、小エビちゃん…」
フロイドはそっと立ち上がり、フロイドの部屋から枕とタオルケットを持って来た。
そしてソファーに寝転がった。
寝るには時間が早い。
しかし、Aを一人には出来ない。
「オレも…、寝るか…」
フロイドも、何だかんだですぐに眠ってしまった。
夜中。
フロイドがふと目を覚ました。
Aが気になる。
ソファーから起きてAの様子を見る。
Aはぐっすり眠っている。
フロイドはそっとAの首に手を触れた。
「えっ…。熱すぎだろ…」
首がかなり熱く感じる。
フロイドはすぐにAの熱を計る。
「40.3℃って…。マジかよ…」
フロイドはもう一度熱を計る。
「40.3℃…」
念のため自分の体温も計る。
「36.1℃…。体温計が壊れてるワケじゃないんだ…」
フロイドはキッチンに行って氷枕を作った。
冷たく冷やしたタオルも持ってくる。
それをAのおでこに乗せる。
「小エビちゃん…。……傷はっ…?」
Aの左手の傷を見る。
「変わらない…」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時