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ウツボちゃんの毒 〜6〜 ページ6

「ノリノリじゃんっ。ウケる〜」

フロイドが笑った。

「私は真剣ですよっ。早く、お願いしますっ」

「うん。分かった…。で、場所だけど…、さすがに手は…、オレがイヤだなぁ」

「目立ち…ますよね…」

「うん。それに、たぶんウツボちゃんよりオレの方が傷は深くなるよ。痛みもかなり残るかも…」

フロイドがAをギュッと抱きしめる。

「肩…、とかはどうですか?服着てるから誰にも見えないし」

「小エビちゃんが良いって思う場所にしよ?」

「じゃぁ、肩にお願いします」

「うん」

Aはフロイドから少し離れて制服のブレザーを脱いだ。
ベストも脱ぐ。

フロイドはその姿を黙って見守っている。

ネクタイも外す。

「左肩でも良い?」

AがYシャツのボタンを外しながらフロイドに聞く。

「小エビちゃん…。そんな姿、オレ以外のヤツに…絶対見せんなよ…」

「見せませんよ。それに、全部脱ぐ訳じゃないし。肩が出るくらいしか…」

フロイドが突然Aを抱きしめた。

「オレが…出来ないかも…」

「フロイド先輩…?」

「小エビちゃんを傷つけるなんてさ…、オレから言っといたくせに…」

「私は、この世界から消えずに済むなら、何だってやりますよ…。だから、フロイド先輩…。お願いします。私の肩に…」

「……うん…」

「しっかり噛みついてくださいね。傷が浅いと効き目無さそうじゃないですか?」

「そうだね…。相当…痛いよ…?」

「それでも構いません。試してみたいから…」

Aがボタンを更に外す。
そして左肩からYシャツを開けさせる。

「細い肩してんなぁ…」

初めて見るAの肩に、フロイドが呟いた。

「ブラジャーの肩紐も邪魔ですね」

Aが肩紐を腕の方へ下ろした。

フロイドがそっとAの肩に触れる。

「本当に、良いの?」

「はいっ!」

「じゃ、いくよ?」

フロイドは右手でAの左肩を押さえた。
そして口を大きく開けてAの肩に歯を当てる。
歯が鋭い分、少し力を入れただけでAの肩に歯が食い込んでいく。

「ううっ…」

フロイドからは見えないが、Aは顔を歪ませて痛みに耐えていた。

「フロイド先輩っ……、もっと、深く噛んでくださいっ」

「ん」

Aの肩に噛みついたままフロイドが返事をする。

フロイドはかなりの力を込めて噛みつく。

ブチッ…

皮膚が裂ける音が微かに聞こえた。

「うっ…ううっ……」

Aの身体に力が入る。
フロイドは更に深く歯を突き立てた。

フロイドの毒 〜1〜→←ウツボちゃんの毒 〜5〜



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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

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