初めてのデート 〜6〜 ページ45
「小エビちゃん。顔、真っ赤だよ?」
「はい…。恥ずかしいけど、言ってみました…」
「カワイイね〜…。いーよ。選んであげる」
「本当にっ?」
「うん。でもぉ、オレが選んだやつに、文句つけるのナシだからね〜」
「えっ…。でも、あんまり…その…、恥ずかしいのは…」
「オレに選んで欲しいんでしょ?」
「そうですけど…」
「大丈夫。フツーの、選ぶから〜」
「お願い…しますねっ…」
ランジェリー店は意外にもカップルで訪れている客が多かった。
Aは少しホッとした。
「フロイド先輩。結構彼氏さんが選んでる人、多いですねっ」
「みんな鼻の下伸びてんじゃん」
フロイドが笑った。
「フロイド先輩は?」
「伸びてたら、どーする?」
「フロイド先輩は…、そんな変態じゃないですよっ!」
「分かってんじゃん」
フロイドがAの頭をポンポン撫でた。
「でさ、小エビちゃんのサイズは?」
「サイズ…ですか…」
「分かんなかったら選べないでしょ?」
「えっと…」
「もしよろしければ、サイズ、計測しましょうか?」
優しそうな店員がAに声を掛けてきた。
Aがフロイドを見てきた。
「ちゃんと、測ってもらいなさーい」
「はい…。じゃぁ、お願いします…」
「かしこまりました。では、ご案内致します」
店員が試着室に案内してくれた。
「お連れ様はこちらでお待ちください」
「はーい」
すすめられた試着室の前の椅子にフロイドが座る。
「フロイド先輩…、待っててくださいね…」
「うん。大丈夫だよ〜」
Aは店員と一緒に試着室へ入って行った。
間もなくして試着室から店員とAの遠慮気味な声が聞こえてきた。
フロイドはまた考えた。
四肢の一部でも失えば、将来、Aを抱くことも…完璧には出来なくなる。
〜自叙伝の筆者は両足を失っても…、子供も出来てる…。別に小エビちゃんを抱けないワケじゃない…。でも…、オレの腕や足が無い身体…小エビちゃんが見たら…〜
「お待たせ致しました」
店員がフロイドに声を掛けた。
すぐ後ろからAが出てきた。
「フロイド先輩、お待たせ…」
「うん」
「ありがとうございました」
「ごゆっくりご覧くださいませ…」
店員は二人に丁寧にお辞儀をして店内に戻って行った。
「で、サイズどうだった?」
「E65…でした」
「Eカップ?」
「はい…」
「小エビちゃん、ちっちゃいのに胸はそれなりにあるんだね〜。知ってたけどぉ」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時