検索窓
今日:29 hit、昨日:3 hit、合計:1,534 hit

フロイドの思い 〜3〜 ページ28

「あっ?」

「ボクの事、怖くないの?」

「っつーか、誰だよっ。どっから入って来たっ」

透き通る様なシルバーの長い髪。
床までついてしまいそうな程長いのに、軽くてサラサラしている。
フロイドとほとんど身長は変わらない。
肌は白く、全てにおいて透き通る様な姿だった。
目も切れ長で例えようのない瞳の色をしている。
唇は薄く、鼻筋が通っている。
いわゆる美形だ。

「ボクはどこからでも入れるんだよ。そうだねぇ…。このままこの部屋の中の女性を見に行こうかな…」

「テメェっ!ふざけた事言ってると、マジで絞めるぞっ!」

「ははっ。威勢が良いねぇ。…おや、そろそろかな?」

その男がAの部屋のドアを見た。

「フロイド先輩、着替え、終わりました」

Aの声が聞こえてきた。

「ボク、キミの事、気に入った。良かったね」

「は?」

「フロイド先輩?」

「あ、うん」

フロイドの頬に柔らかい風が触れた。

「あれ?」

男の姿は無かった。

〜まさかっ、今のがっ?〜

あの人物なのかもしれない。
フロイドはそう思った。

明らかに学園の生徒ではなかった。

Aが心配でフロイドは勢い良くドアを開けてしまった。

「どうしたんですか?顔、怖いですよ…?」

「あ…。うん。間違って勢い良く開けちゃった」

「うふふ。フロイド先輩、面白いです」

フロイドは微笑むAを見て、胸が苦しくなるほど愛おしくなった。

「小エビちゃん…」

すぐにベッドに行き、Aを抱きしめた。

「私…、汗でベトベトですよ…?」

「そんなの関係ないよ。このまましてたいの」

「はい…。私も…」

抱きしめながらフロイドはAの傷を見た。

「傷、くっきりしてるよ。良かったね」

「フロイド先輩の毒が効いたんですね!」

「うん…。そうだよ…」

「消えませんよね…?」

「うん。絶対に消えないよ…」

「デート、出来る?」

「うん。いっぱいしようね、デートも、楽しい事も…」

「はいっ。嬉しいな…。もう、私、消えなくて済むんですよね。フロイド先輩の毒があれば、大丈夫なんですよね?」

「そうだよ。大丈夫。もう、消えないから…」

フロイドはAをギュッと抱きしめた。

「小エビちゃん…。オレ、どうしようもないほど、小エビちゃんの事が好きで好きでたまらなくなっちゃったよ…」

「私もフロイド先輩の事、大好きでどうしようもないです…」

「ずっと…、一緒にいようね…」

「はい。毒、いっぱいくださいね…」

「うん…」

フロイドの思い 〜4〜→←フロイドの思い 〜2〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。