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兄弟の思い 〜3〜 ページ24

「ふざけんじゃねぇぞ、ジェイドっ。そんなにオレたちの邪魔するのが楽しいのかっ?」

「ふざけているのはフロイドの方でしょう?僕はフロイドが将来大変な思いをして欲しくないから言っているのです。僕自身、今のフロイドで居続けて欲しい。僕は真剣に言っているのですよ。分かりませんか?」

ジェイドがフロイドを鋭い目で見た。

「そんな一時的な感情で、人生棒に振るような事はやめなさい」

ジェイドの言葉にフロイドがカチンと来た。

フロイドがジェイドの胸ぐらを掴む。

「ああっ?一時的な感情だって?何でそんな事がジェイドに分かるんだよっ。オレは真剣だぜ?」

胸ぐらを掴まれているのに全く動じずジェイドは冷たい目でフロイドを見下す。

「何が真剣ですか。まだ出逢って間もないくせに。今まで真剣に女性を愛した事がない男が良くもぬけぬけと『真剣』なんて言葉を使えますね。フロイドはAさんの何を知っているのです?そこまで自分を犠牲にしてまで大切にする価値のある女性ですか?」

「ジェイド、言い過ぎだ」

アズールが止めに入る。

「オレの手伝いをするって言ったのはジェイドだろっ!手のひら返したような事言ってんじゃねぇぞっ!」

「だからそれは、こんな代償を払うなんて知らなかったからでしょうっ!僕がどれだけフロイドを心配しているのか分からないのかっ!」

ジェイドも段々熱くなってきた。

「オレはやめねぇよ。絶対小エビちゃんをこの世界に残してやる。オレの身体なんて、どうなったっていーんだよっ!」

「だからそれが一時的な感情だと言っているんだっ。なぜ僕の言う事が分からないんだ!」

とうとうジェイドもフロイドの胸ぐらを掴んだ。

「やんのか?」

フロイドも鋭い目でジェイドを睨む。

「力尽くでも止めますよ」

ジェイドも全く引かない。

「やめろ二人ともっ。寮長命令だっ。手を離せっ!」

アズールが言っても二人はそのまま動かない。

「外、出ろよっ」

「ええ。良いでしょう。フロイドにはキツいおしおきが必要なようなので、手加減はしませんよ?」

「誰に向かって言ってんだっ」

「やめろと言っているのが聞こえないのかっ!寮長命令無視は重いペナルティを課せられるのを知っていての行為かっ!」

アズールが大声をあげた。

「チッ…」

フロイドが舌打ちする。

「はぁ…」

ジェイドは目を閉じ、大きなため息をついた。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

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