フロイドの毒 〜5〜 ページ11
「だろ?手当たり次第、出来ることはやってみないと…。もう…、次はないかもしれないんだからさ…」
「そうですね。それにしても、Aさんも良く受け入れてくれましたね。相当の痛みだったと思いますが」
「まぁね…」
「それで、フロイドはその毒の副反応だと考えているのですね?」
「そーゆーこと」
フロイドがAの傷を見た。
「昨日と変わらないだよねぇ」
「前回は傷の治りが早かったとか…」
「うん。でも、まだ油断はできないけどね…」
「何か手掛かりがあると良いのですが…」
「小エビちゃんみたいな体験したことある人、今までいると思う?」
「過去に誰も経験していないという方が不自然な気もします。僕たちが知らないだけで、海外などでも、もしかしたら似たような現象があったかもしれませんよね」
「オレもそう思ったんだよねぇ…」
「今はAさんの熱が下がるのを待つしかありませんが…」
「うん…」
「アズールも時間を見つけて色々調べてみると言っていましたが、何をどうやって調べていけば良いのやら…」
ジェイドがAを見た。
「フロイドが気に入ってしまったのなら、僕も出来る限りのことはお手伝いしますよ。もちろん、個人的にね…」
「うん。助かるよ」
それから少しして、ジェイドは部屋を出て行った。
「小エビちゃん…」
フロイドがAの首を触る。
「熱いね…」
「………ん…」
「小エビちゃん?」
「…何か…、飲みたい…です…」
目を閉じたままAが小さな声で言った。
「うん。スポーツドリンク、持ってきてあげるね」
「はい…」
フロイドがスポーツドリンクを持ってAの 部屋に戻って来た。
「起きれる?」
「…ん……はい…」
Aはかなりぼーっとしているようだった。
「起こしてあげる」
フロイドがゆっくりAを抱き起こす。
「熱いねぇ…。しんどいよねぇ」
「…ん…」
返事が弱々しい。
「ゆっくり、飲もうね」
フロイドはスポーツドリンクが入ったグラスをAに渡す。
落とさないようにフロイドも手を添える。
Aはゆっくり、少しずつ飲んでいく。
そして全部飲み干す。
「おかわり、いる?」
「……いらない…。頭…痛いの…」
「薬、飲もうか」
「…ん…」
フロイドはスポーツドリンクを持ってくる時に薬も持って来ていた。
「スポーツドリンクでもいっか…」
グラスにスポーツドリンクを少し注ぎ、手に持つ。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時