フロイドの抱擁力 〜7〜 ページ38
「だからさ。オレが小エビちゃんの側にいられない授業中とかはさ、グッピーちゃん、小エビちゃんの事、頼んだよ?」
「はいっ!分かりました!任せてくださいっ」
「小エビちゃん。グッピーちゃんから離れちゃダメだからね」
「はい」
「じゃ、また放課後迎えに来るからね〜」
フロイドは不機嫌そうな顔のまま去って行った。
「A。フロイド先輩、相当Aの事心配してるね…」
「うん…」
「フロイド先輩の代わりまではいかなくても、ボクが変なヤツらを近付けさせないからっ」
「ありがとう、エペル」
「教室入ろっか」
「うん」
今日も意味不明な内容の授業を受ける。
昼休み。
「A。お昼、今日もフロイド先輩たちと?」
「ううん。今日は別。あの、バスケ部のえっと…カニちゃん…」
「ああ、エースのことね」
「そうそう。エースくんのおごりで、ジャミル先輩とフロイド先輩がお昼一緒に食べるんだって」
「へぇ。珍しい…」
「昨日の部活中、その3人でスリーポイントの得点を競って、エース君が負けたの。それで負けた人がお昼をおごるらしいんだ」
「なるほど…。じゃあさ、ボクと一緒にお昼食べようよ」
「うん。ありがとう」
食堂は昨日と同じ混み具合だ。
二人は空いている席に座り、お昼を食べる。
エペルから学園の話しを色々と聞いた。
「あっ、フロイド先輩たちだよ」
エペルがフロイドたちを見つけた。
フロイドもエペルに気付き、わざわざやって来た。
「へぇ〜。グッピーちゃん、ちゃんと小エビちゃんと一緒にメシ食ってんじゃん」
朝とは違い、フロイドは機嫌が良いらしい。
「はい」
「フロイド先輩。エペルから学園の話し、たくさん教えてもらってるんですよ。勉強は…意味分かんないけど…、エペルのお陰でクラスでも楽しいです」
「ふふーん。良かったね〜、小エビちゃん」
フロイドがAの頭をポンポンと撫でた。
「午後の授業も、楽しんでね〜」
フロイドはニコニコしながら二人の前から去って行った。
「エペル?どうしたの?」
エペルがクスクス笑っている。
「フロイド先輩とA、恋人同士みたい」
「恋人っ…」
「フロイド先輩のあんな顔、初めて見たよ」
「そうなの?」
「うん」
「エペルには…ちゃんと伝えておくね…。私、フロイド先輩が好きになっちゃったんだ…」
「うん。知ってる」
「えっ?」
「態度見てれば分かるよ!」
Aの顔が赤くなった。
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時