検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:4,780 hit

恐怖、再び 〜1〜 ページ29

「ほらぁ。早く答えないと、本当に折れちゃうよぉ?」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!すみませんでしたっ!服、盗もうとしましたぁぁぁ……」

「ふーん」

フロイドは片手で男子生徒の両腕を持ち、スマホを取り出して電話をし始めた。

「……あのさぁ。また一人、捕まえたー。……うん。早く取りに来て」

すぐに電話を切る。

「服盗んで、どうするつもりだったのぉ?」

「……女の子が…着てる服って、どんな匂いなのかなって…。つい…魔が差して…」

「魔が差して?計画的の間違いだろ?」

「……」

「変態野郎がっ…」




少しして、ジェイドとジャミルがやって来た。

「フロイド。良くやりましたね」

「ジェイド。階段の横に小エビちゃんいるから」

「分かりました」

フロイドの言葉を聞いて、ジェイドが階段の横に隠れているAの所へ向かった。

「フロイド、済まない。うちの寮生がこんな事をして…。カリムにはキツい処分をしてもらうように伝える。それと…Aさんにも俺から謝罪を…」

「そんなの良いからさ。それよりコイツをとっとと連れ出してくんない?」

「あっ…、ああ。分かった。謝罪は日を改めてしよう…」

ジャミルは手際良く男子生徒の腕を掴み、オンボロ寮を出て行った。

「………」

フロイドが黙ったまま床に散乱した服を拾い上げる。

「フロイド。Aさんは無事でしたよ」

「当たり前だよ…」

フロイドの元にジェイドがAを連れて来た。

「小エビちゃん。2日連続で、怖い思いさせちゃったね…」

「いえ…。あ…ありがとう…ございました…」

「まだ、震えてる…」

「……はい…」

「フロイド。僕はこの件をアズールに報告しに戻ります。また何かあれば連絡を」

ジェイドはそれだけ言って寮を出て行った。



「小エビちゃん…」

フロイドがAを優しく抱きしめた。

「もう、大丈夫だよ。……オレにギュッってされても怖くない?」

「はい…」

Aはフロイドの胸の中でじっとしていた。
それでも震えが止まらない。

「よしよし…」

フロイドがまた背中を擦る。

そのまま時間が過ぎて行く。



「少し、震え止まってきたね…」

「はい…。でも、まだ…怖くて…」

「そうだよね…」

フロイドが突然Aをそのまま抱き上げた。

「えっ…?」

「ここじゃ寒くなるから。談話室に連れてってあげる」

フロイドはAを談話室に運んだ。

恐怖、再び 〜2〜→←登校初日 〜8〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。