暴走、再び 〜1〜 ページ32
「僕も、ごめんね…」
ジェイドがAにキスをした。
『キュ〜ンッ…』
くーちゃんがAの頬にキスをする。
「ふふふ。くーちゃん、マネが上手だこと」
ジェイドが微笑んだ。
「うふふ。ありがとう、くーちゃん」
「くーちゃん。僕には？」
『キュ〜ンッ…』
くーちゃんは少し悩んだ。
『キュンッ！』
ジェイドの頬にもキスをしてくれた。
「ふふふ。たまりませんねぇ」
ジェイドのニヤニヤが止まらない。
平和な朝食時間が過ぎて行く。
しばらくして。
Aはジェイドに言われた通り、リビングのソファーでぐっすり眠っていた。
胸の中にはくーちゃんも寝ている。
「ふふふ。本当に…家族ですね…」
リビングで眠気と闘いながら仕事をしていたジェイドは二人の眠る姿を見て癒やされていた。
すると、ジェイドのスマホが鳴った。
「フロイド…」
ジェイドはすぐに応答した。
「はい。お久しぶりです、フロイド。……ええ。もう回復しましたが、あとはどの程度の魔力なのかまだ分からなくて…。ふふふ。そうですね。本当に凄いですよ…」
ジェイドはフロイドに決闘の事を大まかに連絡してあった。
『キュ〜ンッ』
通話中、くーちゃんが目を覚ましてジェイドの元へやって来た。
「何、今の声。ジェイド何か飼ってんの？」
電話口から聞こえるフロイドの声にくーちゃんが首をかしげる。
『キュ〜ンッ…？』
「何だよその鳴き声〜っ」
「ふふふ。実は、魔獣を飼い始めましてね。飼うと言うより、家族ですが。とても可愛くて、早くフロイドにも見てもらいたいですよ」
「はぁ？魔獣？マジで言ってんのぉ？しかも家族って…。あははっ。ちょー笑える〜」
「フロイドも、会えばきっと可愛さが分かりますよ。そうだ、カメラ通話に切り替えましょう」
ジェイドはフロイドにもお願いしてカメラ通話に切り替えた。
「フロイド、見えますか？この子が魔獣の、くーちゃんです。くーちゃん、この人は、僕の弟のフロイドですよ」
くーちゃんが画面をじっと見る。
そしてジェイドを見る。
首をかしげる。
「ふふふ。僕が二人に見えますか？」
「やっほー！くーちゃん？オレ、フロイド。っつーか、ただのタコじゃん。ジェイドって本当にタコ好きだねぇ。あははっ！」
『キュンッキュンッ！』
「フロイド。どうやら、くーちゃんはフロイドを気に入ったようです」
くーちゃんはじっとフロイドを見続ける。
そして。
『キュンッ！』
ポンッ…
くーちゃんが消えた。
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
