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29.好き ページ31










あれからというもの私は
布団にくるまり、ベッドで横になっていた。


山田くんのことが色々とショックだったのだ。






グレースはそんな私に気を遣ってくれたのか
部屋は薄暗くしてくれている。






__“ここから出ていきなさい

でもね……〜〜、〜、_”





(そういえば…)





…あのとき、グレースは山田くんに何かを囁いた。



それを聞いた山田くんは顔を真っ青にして
走って逃げていっちゃったけど







考え込んでいると、
ギシッと音を立ててベッドがゆっくり沈んだ。




グレースが座ったんだろう。





「大丈夫?」




『!』






突然かけられた声に思わずビクッと肩を揺らしてしまった。



顔だけを上に向けると、グレースがベッド脇に座り
私を覗き込むように見下ろしている。






「安心して、A
彼はもう二度と(・・・・・)ここに現れることはないから」



『追い出したの?』



「まぁね」





“もう二度と”
“現れることは無い”





その2つの言葉に違和感を感じるも

私の頭を撫でるグレースの手に安心した。





「でもね」



『!』





スッと私の頬に手を滑らせたグレース。






「絶対に勝てない相手には関わるな」




『えっ……』






ボソッと聞こえた声。




まるでご兄弟様の声のような気がして、

上体を起こして辺りを見回した。





彼が来てくれたんじゃないかって。





『…まさかね』




「どうしたの」




『…ううん、なんでも。』






じっと見下ろしてくるグレースの首に手を回した私。





「へっ?」





そのままグイッと強めに引っ張ると
私の上に倒れ込んできた彼女。



肘をついて私を潰さないようにしてくれてる所が
やっぱり優しくて、彼女らしい。





「ッな、にを…」



『グレース、好き』



「…!?」






急に言いたくなったから普通に伝える。







なんて言うか…こうしてると落ち着く。


背中に手を回すと






(……うん、?)






グレースって…



前からちょっと思ってたけど、
やっぱり意外に筋肉あるんだな…





「何触って…」





そんな彼女に安心して

瞼が勝手に閉じていく。








『おやす……』








最後までちゃんと言えてたかは分からないけど




眠くてそれさえもどうでも良くなった。
























「マジ
ふざけんな……」














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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時

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