親友の秘密を知ってしまった。

９.他意はない ページ11

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[ﾊﾞﾀﾝｯ]





「っ…

ふー…」







Aを脱衣所に押し込み、
しばらくするとシャワー音が聞こえてきて
深く息を吐いた。






(あっぶね…)





なんだよ、一緒に風呂に入るって






あいつが宇宙人なのは最初から知っていたが


まさかここまでとは思わなかった






まず、あの状況で俺が“グレース”だと気付かなかった時点でやべぇ話だ


まぁ無駄な殺しはせずに済んで良かったが






＿“だ、誰にも言わないですから…！”


＿“それを信用できると思うか？”






あの時、あの女の細い首に手を添えたのは
叫ばれた時にいつでも喉を潰せるようにだ。


誰だってあの状況
自分の置かれた立場くらいは勘づくはずだろ





あの女を生かしたのも、
組織を脅かす存在ではないと判断したからだ。






決して他意はねぇ







まぁ、いつか邪魔になるだろうから
いずれ殺すつもりではいるが




ただ殺すのじゃつまんねぇ








＿＿“世界で1番大好きな人”






【グレース】などという存在は初めから
どこにも無かったことを知った時



あの女はどんな表情をする？







「…ふ、っはは」






楽しみだな









『…あれ、グレース
何か面白いことでもあった？』




「！」




『今笑ってたでしょ？』






……いつの間にか時間が経っていたのか

背後で扉の開く音がした。







『グレースと早く話したくて
シャワーだけで済ませちゃった』






「なにそ……」






振り向くと、体にバスタオルしか巻き付けていない状態のAが脱衣所から普通に出てきて






「…はぁ…」




あまりの宇宙人さに驚いて声も出ねぇ。







『あ！こんなはしたない格好でごめん…

持ってきた荷物の中身、探してたんだけど
私…下着しか持ってきてなかったや』





パジャマ忘れてきたー、と笑うバカっぽい女
というか馬鹿でしかねぇけど






「おれ……ん”ん、

私の服貸してあげる」




『え？いいの？』




「風邪引くから、早く着てきて」






グイグイ押し付けると、嬉しそうにはにかんだソイツは再び脱衣所へと戻っていく。








(今度は夜一緒に寝よう、とか言わねぇだろうな)




…まさかだろ




しかもなんで俺がアイツの行動パターンを読めてんのかも謎。




なにもかも




「意味わかんねぇ」





俺はなんであんなのを泊まらせたんだ？






やっぱあの時殺しとくべきだったか，









「……面倒くせぇ…」





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