検索窓
今日:13 hit、昨日:40 hit、合計:524,217 hit

ずっとずっと欲しかった ページ44

.



壁に背を預けて座り込んだAに、のしかかるようにキスを送り続ける。



俺の首に両腕をかけて、引き寄せて、もっと、と欲しがるAも。

時折、苦しそうに顔を背けて息を吐くAも。

頬や首筋を撫でていた俺の指を、ふいにぱくりと咥えて、誘うようにこちらを見るAも。



そのどれもが、見たことのない姿で。

こんな所でと思いながらも、顔を背けるAを追いかけるようにキスしているうちに、その先を求めてしまう。

『…ぃっ、ちゃ…っ!』

樹「…何…?」

『…いっちゃん、猫みたい(笑)』

樹「…何、その余裕な感じ。」

『…いっちゃんは?』

樹「…今すぐココでめちゃくちゃにしてやりたいくらいには余裕ない。」

俺の胸に小さな手を置いて、少し息を荒くしながら、微笑むAが余裕そうに見えて、少しだけ悔しくなる。



あの日のAは、余裕なんて微塵も感じない程に亜嵐さんを求めて、乱れていたのに。



樹「…Aは?俺のこと、欲しくないの?」

イライラして、そんな風に聞いてしまったけれど。

『…ずっと…樹が、欲しくて堪らなかった…』

俺の頬に、細い指を這わせながら、吐息混じりにそう言って、Aから深く深く口付けられる。

『…いっちゃん…ウチくる…?』

樹「…そうやって、男のこと誘うの?」

『…意地悪言わないで…』

樹「嘘(笑)行きたい。けど…」

『けど…?』

不安そうに眉を下げて、こちらを見るAが愛しくて。

樹「…俺、引っ越したから…俺んち来てよ…」

こめかみにリップ音を立てながら口付ければ、パッと美しく花開いたように微笑むAがいた。


--------

シャワーを済ませてから来るというAに、住所を送って、一足先に帰ってきた。

一応、周りを警戒する意味でも。

ピーンポーン…

樹「…っ、はい?!」

思ったよりも早く鳴ったインターホンに驚きながらも、モニター画面を確認するより前に対応すれば。

翔平「藤原ぁ〜!呑もうぜー!まこっちゃんもいるからー!」

慎「樹さーん…語りましょ〜!」

すでに酔っ払っている2人で、どう追い払おうかと考えていると。

『…翔平?まこっちゃん?』

翔平「Aちゃん?!む?!藤原?!」

ふらりと現れたマスク姿の美女を見て、慌てふためく翔平の姿もなかなか面白い。

そうだ、察して、とっとと帰ってくれ。

翔平「ちょうど良い!Aちゃんも一緒に呑みましょ!ていうわけで、開けろよ藤原!」

マジで空気読んで、翔平。

2人と1匹の味方→←Hurt



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (234 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1045人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

usa(プロフ) - 突然のコメント、失礼いたします。つい先日この作品に辿り着き、とってもハマって何度も読み返しています!続きのパスワードについて、私も教えていただきたいです!引き続き、更新を心待ちにしております! (2020年10月11日 23時) (レス) id: a03a04a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
sui(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっとこの作品が好きで、何度も見返しています。続きの2のパスワードは教えてもらえないでしょうか…? (2020年10月6日 11時) (レス) id: 2efd24e246 (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 メンバーさんそれぞれの台詞の時行間隔あけて はどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年5月1日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆんさん» もう、リアルいっちゃん見るたびに早くイチャイチャさせたくて仕方なくなります(笑)あのビジュアルで、お前しか考えられないとか言われたら…もうぶっ倒れもんですよね…! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - みなさん» 絶賛作成中です!ひと段落ついたらパス外しますので、しばらくお待ち下さい! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年6月10日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。