Why…? ページ3
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−−−FUNK JUNGLE
「…いよいよオープンだな。始めますか。」
「“GO!”」
DJが曲を流し始めると、フロア内に立ち込める人の波が、一気に歓声を上げ、身体を揺らし始める。
Aはフロアを見渡せるVIPルームの1つから、この店の様子をぼーっと眺めていた。
この日、この店の中心人物であるMIGHTY WARRIORSが鬼邪高校とWhite Rascalsの本拠地、Club Heavenに攻め入ったと聞いた。
何故。
争いの後で、こうも楽しそうに騒げるなんて。
Aには理解できず、眉間に皺を寄せた。
「…そんな顔して。」
ふ、と隣に現れたのは、髪の長い、黒いスーツの男…MIGHTY WARRIORSの一員の劉だった。
手すりに寄りかかるようにしてフロアの様子を眺めていたAの隣に並んだ彼に視線を向けると、グラスを片手に、Aの耳元に顔を寄せてきた。
「…着替えなくて、いいんですか?隣の部屋で、“彼”が待ってますよ。」
劉はそっと囁くと、グラスを持たない方の手で、Aの腰にそっと触れた。
「…手伝いましょうか?」
『…触らないで。』
目の前の劉を睨むように見上げ、腕を突っ張って、彼から離れると、クスリと笑う声を背に、その部屋を後にし、隣の部屋へと向かった。
そっと扉を開くと、壁際に寄りかかっていた九十九さんにチラリと視線を向けられた。
少し気まずくて、奥へと視線を向けると、グラスを握りしめながらソファに座り、何かを考えている様子で、瞬きもせずにフロアを見つめている琥珀さんの姿を見つけた。
どうして、こうなってしまったんだろう。
何を、考えているの。
あの頃とは、すっかり変わってしまった琥珀さんに、戸惑うばかりで、声もかけられない日々が続いていた。
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麗 - もう更新はされないのでしょうか? 最初から一気に読ませてもらいましたがとても続きが気になります。更新されるの待っていますね。 (2019年5月12日 20時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか? (2017年12月24日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮夢叶(プロフ) - 続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2017年8月6日 16時) (レス) id: 556da1689c (このIDを非表示/違反報告)
白濱ゆあ(プロフ) - 更新楽しみにしています!!!頑張ってください(*^^*) (2017年6月12日 3時) (レス) id: 0c3fdd77dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2017年3月13日 0時