恋愛疾患2 【ダイヤのAヤンデレ】

56話 ページ12

春市視点

「そんなの、栄純には関係ないじゃん！」

Aちゃんが栄純君に怒っている姿を見た時、

少し驚いた。

Aちゃん、こんな表情もするんだ…。

自然に口がニヤリと笑ってしまう。

春市「何してるの、2人で。もう授業始まるよ。」

栄純「春っち！」

栄純君からAちゃんに視線を向けると僕が来たことにたいし少し驚きつつ安心した表情になった気がした。

春市「栄純君、Aちゃんは栄純君だけのものじゃないんだから。ごめんね、Aちゃん。ほら、2人とももう教室戻ったら？」

栄純「春っちの言う通りだったよ…」

…栄純君、その事についてはAちゃんがいない所で言って欲しかったな。

Aちゃんには嫌われたくないんだよね、僕。
怪しがられたりするのも嫌だし。

春市「…やっぱりね。」

Aちゃんに聞こえないようにポツリと僕は答えた。
チャイムが鳴りAちゃんは急いで教室に戻って行ったが、きっと今の僕達の会話に疑問を抱いたに違いない。

ついため息が漏れてしまった。そんな僕を余所に栄純君は走り去るAちゃんの背中を眺めながら


栄純「あの早川ってやつ…邪魔なんだけど。」

ボソッと呟いた。

春市「うん、そうだね。」

１時間目、たまたま窓の外を眺めてたいたら、早川とAちゃんが一緒にいる所を見てしまった僕は、その２人を盗撮して野球部のグループラインに送り付けた。

こういった情報は皆と分かち合わないと。ね？

春市「さてと、急いで教室に行かなきゃ。もう授業始まっちゃったし、続きは後で」

栄純「…ん。」

僕は栄純君の背中をポンッと叩き笑った。

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