15『少女は出発地点へ向かう』 ページ11
「送仙儀式」は滞りなく進んでいるみたいだった。神としての帝君を送る儀式、それを終わりまで見届けて感傷に浸る人々を眺めながら離れたところで話をしていた鍾離様と旅人の元へ歩いていく。
「空、モンド行こう。」
「…ん？？」
再会早々にそんなことを言う私に空とパイモンはともかく、鍾離様まで渋い顔をしている。心配の意があるのはわかっているけど…ちょっと過保護なところは否めない。
当分は大人しく璃月に居ようかと思っていたけど、やっぱりモンドで縁を結んだ人にはお礼を言いに行きたい。
「おまえ、もう体は大丈夫なのか…？」
「うん、みんなが助けてくれた…えへへ、その分お説教長かったけど……」
治療を施されながら、私は長々と説教をされていた。そういう時間はなんで長く感じてしまうんだろうとか考えながらやり過ごした。
「なぜモンドへ行こうと？」
「ここへ来る時、背中を押してくれた人が居ます。その人へお礼を言いに…みんな元気にしてるかな。」
西風騎士団で過ごすことを許してくれた代理団長、何も覚えていなくて右も左もわからない私に色々と教えてくれた図書館司書、反省堂常連の太陽みたいなあの子とか…時々顔を出してくれたもう1人の熱いあの子も。
とにかく会って話がしたい。空に伝えてもらうことも考えたけど、こういうことは直接がいいから。
「オイラたちがついてるから大丈夫だぞ鍾離、何をそんな心配してるんだ？」
「いや…お前たちも旅をしていたから分かると思うが…彼女は基本的に優しい、おまけに人を寄せ付ける、そういう“性質”なんだ。」
「そう言えば…璃月来てすぐ子供と仲良くなってたし、モンドの人たちもAにはすぐ打ち解けてたな…確かにAってそばにいるだけでなんとなく落ち着くよな！」
「そうだ、そしてどんな奴でも寄って来る。その性質ゆえにな。」
あっ、と口を閉ざしたパイモン。
「おまえ…なにやらかしたんだ…？」
「えっと……何度か連れ去られたくらい？えへへ。」
「おい！それは笑い事じゃない！！」
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匿名 - 感動できる物語を読まさせていただきありがとうございます！！これからも応援しています！ (2022年6月14日 21時) (
レス) @page15 id: e82571c646 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 続編おめでとうございます！最初から読ませて頂きました！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月3日 22時) (レス) @page4 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりふき | 作成日時：2022年6月1日 19時
