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「あーもう、なんでこうなっちゃうの……」

「どうもこうも、お前が節操ないのが悪いンだろィ。片っ端から男引っ掛け回すんじゃねェよ」

「してないわよ!!」

ニタニタと笑う総悟を尻目に呟き、存外真面目な顔でじゃんけんに挑もうとしている高杉くんを眺めていれば総悟が水を差すような一言を挟んできた。

それに思わずぎゅーんと目尻を吊り上げて吠えれば、その行動は総悟の思う壺で。掌中で踊らされているようで。そう感付くも遅く、尚も消えないニヤけに呆れていると最早女子の黄色い歓声が飛び交う崩壊寸前のクラスに凜と声が響いた。透き通るその声に、騒ぎ立てる者皆が動きを止め、視線を一方向へと集める。

「早くこの決着つけるぞ、ンでもってあの決着もつけようじゃねェか」

案の定それは高杉くんの声で、少し喧嘩腰なそれに総悟はピクリと反応した。こめかみをピクピクとさせ苛立ちを露にしたまま、総悟はふんぞり返るように腕を組んで大層偉そうな態度と応答する。

「そーだねィ、さっさと決めて独占してやりてェモンなァ」

「コラコラ君たち趣旨違うって」

「「お前は黙ってろ」」

「……ハイ」

口を挟んだ銀八先生を一蹴した二人は、涙目な先生を他所に拳を振りかざした。それから、意気投合するようにタイミングぴったりで声をあげて。

「「じゃーんけーん──!」」


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「てなワケで俺が王子役だな」

「あーおめでとーございまーす」

「もう少し心込めて嬉しいですって言えよ」

「嬉しくなんかないし!」

結果、勝ったのは総悟で、本人はたいそう喜んでいた。高杉くんは拗ねてしまったのかそそくさと教室から逃げ出し、何処かへふらりと消えていってしまい。後で追いかけようと心に誓ってから、銀八先生に振り返る──と。

「おーおーモッテモテじゃねェかAチャンよォ。逆ハーレムってやつ?いいねェ青春してるガキは」

「何バカな妄想してるの先生ってば」

「はいはい、じゃあそこは決まりってことで」

黒板に文字を書き連ねていく先生を横目に、尚も止まない歓声と総悟の幸せそうに緩んだ頬を交互に見てから、私ははぁと盛大な溜め息をついて叫んだ。

澄んだ空に響く私の絶叫じみたそれは、職員室にまで響いていたらしく、呼び出され約一時間ほど説教されたのはずっと後の事だが。

「青春なんざクソ食らえーーッ!!」


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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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あるの(プロフ) - 銀魂LOVE♪の神紫ダヨさん» コメントありがとうございます!そして返信遅れてしまいすみません!そうですよね、高杉さんはとても魅力的でカッコいいですからね!神威も沖田さんも迷ってしまいますよね(笑)今後の展開も見守ってくださると嬉しいです! (2018年4月23日 20時) (レス) id: 59996c7325 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - インクさん» 返信遅れてしまいごめんなさい!沖田さんにとってはとても美味しいことになりましたね、はい、アニメ銀魂はいつ見ても面白いです…!!!すみません、初の合作ということで至らない点もあるかと思いますが、精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いします(*^^*) (2018年4月23日 16時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - …どうしよう、話がわからない…。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
銀魂LOVE♪の神紫ダヨ - あぁいつ見ても晋助様はス・テ・キ♪あっ神威もステキ!かっこいい!(キスなら晋助様と、神威がいい..カナ!? (2018年4月6日 22時) (レス) id: 85fc3d6f11 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田の発言が裏目に...いや、沖田にとっては万々歳か...とりあえずアニメ銀魂見直したら面白かったんでまた見てきます (2018年4月6日 19時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるの&ピピコ x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年1月7日 12時

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