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…どうやら、一度あることは二度あるらしい。


「授業サボっておいてこんなやらしーとこでランデブーたァいい度胸じゃねェか」


……なんていうことだろう。総悟と神威がやいのやいのと騒がしくなった保健室に、そんないつものように気だるげで、けれど今はその中にあからさまなからかいを混ぜているような声が響いて。私は先程の、総悟としたキスの余韻の中から抜け出せずにいて、ぼんやりと壁に掛けられている時計を見上げていた。特にそんなことに意味はなかったけれど、その時計はまだ一時間目の授業中であろう時間をさしていた。今頃教室では…なんの授業が行われていただろうか。覚えていなかった。が、事態は一時間目の授業を思い出す作業をしているような場合ではなくて。

私はふわふわとして今にも何処かに風船みたいに飛んでいってしまいそうな意識をなんとか取り戻して、そうして冷や汗がダラダラとしてくることに気づく。どうしてこうも、ドイツもコイツもタイミングが悪いのだろうか。今日はとことん悪いことが続くみたいだ。寝坊したせいで朝の占いを見ていないけれど、きっと私の運勢は最悪だったのだろう。


すべてを私の運勢に擦り付け、私は総悟が来たときと同じようにギギギ…と首を回す。保健室の扉は開けられたままであった。そこから顔を覗かせるようにして、銀八先生が私を見据えていた。彼のかったるそうな目と、私の目がパチリと合う。

言い合いをしていた総悟と神威、それを傍観していた高杉くんも、視線を先生の方に向けた。


「……あれ、銀八先生…授業は…?」

「今日の一時間目は授業ないんだよ」

「…見ました?」

「おー、見たよバッチリ。総一郎くんとAがチューして……」

「あ゛ぁぁぁぁぁぁ」


銀八先生は躊躇うことなく、迷うことなく頷いて、私はその瞬間に頭を抱えてその場にしゃがみ込んでは世界の終わりが迫っているのだと言わんばかりの声を発した。まさか。まさか担任の教師に見られていただなんて。銀八先生に見られていただなんて。どうしよう死ぬほど恥ずかしい。



「もう…!!もう私明日から学校来ないフトーコーになるゥゥゥゥ!!!」

「恨むんなら授業サボった自分を恨むんだな」


いいもん見たわ、と。そう言いながら先生は保健室に足を踏み入れた。もう私の目の前から居なくなってほしかったのだけれど。もう二度と顔を立てる合わせたくはないのだけれど。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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あるの(プロフ) - 銀魂LOVE♪の神紫ダヨさん» コメントありがとうございます!そして返信遅れてしまいすみません!そうですよね、高杉さんはとても魅力的でカッコいいですからね!神威も沖田さんも迷ってしまいますよね(笑)今後の展開も見守ってくださると嬉しいです! (2018年4月23日 20時) (レス) id: 59996c7325 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - インクさん» 返信遅れてしまいごめんなさい!沖田さんにとってはとても美味しいことになりましたね、はい、アニメ銀魂はいつ見ても面白いです…!!!すみません、初の合作ということで至らない点もあるかと思いますが、精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いします(*^^*) (2018年4月23日 16時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - …どうしよう、話がわからない…。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
銀魂LOVE♪の神紫ダヨ - あぁいつ見ても晋助様はス・テ・キ♪あっ神威もステキ!かっこいい!(キスなら晋助様と、神威がいい..カナ!? (2018年4月6日 22時) (レス) id: 85fc3d6f11 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田の発言が裏目に...いや、沖田にとっては万々歳か...とりあえずアニメ銀魂見直したら面白かったんでまた見てきます (2018年4月6日 19時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるの&ピピコ x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年1月7日 12時

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