【銀魂】アオハル

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銀八先生が手にしていた書類の、手加減ない強烈な一撃を食らった後。

強い衝撃が加えられた頭を思わず押さえると、「後で職員室来いよ」とすれ違い様に囁いた銀八先生が一瞬目を光らせてから、再び何事もなかったかのようにHRが再開する。クラスの皆も別段気にする素振りを見せない。それがいいのか悪いのかはさて置き、のそのそと席についた私と総悟は、決まりが悪そうに銀八先生とは視線を合わせない。

……否、合わせられなかった。
何せ凄むように私と総悟を見ていたのだから。睨んでいたのだから。珍しく畏怖を感じたのか、総悟も同じく黙りこくっている。冷や汗が垂れていたのは、恐らく見間違いではないだろう。

そして、一瞬にも感じられたあっという間なHRが終わってしまった。生徒たちの声が再びあがり、教室に緩んだ空気が流れた。……のだが。

……逃げるが勝ち!うん、退避!保健室に行こ!


異様なまでにじっと見てくる銀八先生の無言の訴えに耐えられず、私はそっと席を離れ──

──その数秒後、襟首をグイッと持ち上げられ、半分ほど両足が浮く。


正しく宙ぶらりん状態。首が絞まるような痛みに抵抗しながら、「痛い痛い!ギブ!ギブアップ!」と叫びたてる。すると、突然ぽーんと山なりに身体が飛びごんっと鈍い音と共に着地。正確に言えば、私の額がどこの誰だか知らない人の机に直撃したのだ。

「痛い!銀八先生ごめんなさいってば!!」

涙目で謝罪を述べれば……勿論心の籠っていないものだが、銀八はやれやれと言わんばかりに肩を竦めて。「そーだなァ」とわざとらしく呟き、ニッコリと笑って。

「反省してンなら逃げようとすんじゃねェよ。あ、それと校庭の草むしり頼むわ。沖田くんも」

「違いまさァ、俺はコイツに巻き込まれたンでィ。勘弁して下せェよ」

そそくさと言い訳を述べる総悟に「薄情者ーっ!」と叫びながら、ヨロヨロと立ち上がる。ズキンと痛む頭を押さえ、

「銀八先生、ちょっとまじで頭が痛いんだけど……。これって大丈夫?ニュースになるよ?」

「ほら、最近よくあるじゃない?」、と。脅し言葉で銀八先生を文字通り脅していると、「こ、怖かねーよ」と虚勢を張り冷や汗を垂らしまくっていたので、そろそろ引き際かな?と見計らいながら。

「自業自得ってやつだよ。俺は知らねェからな?……なァ、マジで知らないかンな?」

そんな言い訳を他所に、私は高らかに叫んで教室を飛び出した。

「てな訳で保健室に行ってきまーす!!」


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