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016 沖田side ページ18




「行ってきます!!」


二人声を揃えてAの母親にそう言うと、母親は「行ってらっしゃい、気をつけてね〜」となんとも柔らかな声色でそう言った。申し訳ないが「行ってらっしゃい」の「い」しか聞こえていなかった。立ち止まっていられるような時間はもう俺達には残されては居ない。

……漸くAの着替えが終わり玄関扉を多少乱暴に開けては外に飛び出し、全速力で住宅街を駆け抜けていく。同じような形をした一軒やが並ぶ少しばかり入り組んだ道を、迷うことなく進んでいく。この場所でもう十数年という時間を過ごしてきたのだから当たり前だった。

家と家の狭い道を通って学校へと急ぐ。この狭い、猫の散歩道のような通路は、学校への近道であった。遅刻しそうになるたびに俺達はこの道をよく利用する。塀の上には今日もまた猫が一匹いて、呑気にあくびをしていた。Aはその猫に目を奪われかけながらも足を止めまいと前を向き直した。


「猫ちゃん撫でたかった!!」

「帰ってきてから存分に撫でてろよ!」


今は兎に角学校である。


…まぁ、俺としてはサボってしまっても良かったのだが、Aはいつも抜けているもののこういった所ではどうにも真面目で。サボりなんてとんでもないと思っているらしい。そんなコイツのおかげで、俺も真面目に毎日登校している、ということだ。


…そうこうしていれば、やっと辿り着いた校門前。

完全に遅刻なため、既にその門は閉まっていた。厳重に鍵をかけて。まぁ、門なのだからその役目を果たして貰わなくては困ってしまうのだけれど。


「もうHR始まっちゃってるよね…」

「だろうな、オラ、さっさと行くぜィ」


そう言うと俺はヒョイ、と校門を飛び越え校内へ。それに続くようにAも「よいしょっ」と、自分がスカートをはいていることを忘れているように無遠慮に飛び越えた。俺は目のやり場に困り近くにある葉が落ちたカエデの木を見ていた。

コイツはもう少し、自分がスカートをはいていることを自覚するべきである。


昇降口、階段、廊下、と小走りに進んで教室を目指す。もうHRが開始している校内は酷く静かだった。

そして着いた3Zの教室。ふぅ、と息をついたAを横目に、俺はガラガラと躊躇なく前野扉を開けた。


「おーはよーございまーす!」

「どこの天の声だー」


遅刻だぞ仲良し二人組〜、と。間延びした声が教室に響いた。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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あるの(プロフ) - 銀魂LOVE♪の神紫ダヨさん» コメントありがとうございます!そして返信遅れてしまいすみません!そうですよね、高杉さんはとても魅力的でカッコいいですからね!神威も沖田さんも迷ってしまいますよね(笑)今後の展開も見守ってくださると嬉しいです! (2018年4月23日 20時) (レス) id: 59996c7325 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - インクさん» 返信遅れてしまいごめんなさい!沖田さんにとってはとても美味しいことになりましたね、はい、アニメ銀魂はいつ見ても面白いです…!!!すみません、初の合作ということで至らない点もあるかと思いますが、精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いします(*^^*) (2018年4月23日 16時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - …どうしよう、話がわからない…。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
銀魂LOVE♪の神紫ダヨ - あぁいつ見ても晋助様はス・テ・キ♪あっ神威もステキ!かっこいい!(キスなら晋助様と、神威がいい..カナ!? (2018年4月6日 22時) (レス) id: 85fc3d6f11 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田の発言が裏目に...いや、沖田にとっては万々歳か...とりあえずアニメ銀魂見直したら面白かったんでまた見てきます (2018年4月6日 19時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるの&ピピコ x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年1月7日 12時

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