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No.037 ページ38

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「……目ェ覚めたか?」

「えっと……どちら様?」


そんな噛み合わない会話は、重苦しい空気を更に圧迫させる。

現在、私の目の前でスラリとした脚を組み威風堂々と木製の椅子に腰を掛けていたのは、右目に眼帯を身につけ鋭い双眸で私に冷たい視線を注いでくる黒髪の男性だった。黒髪の男性曰く、倒れてしまった私は町中で出会ったお兄さんに運んでもらったらしい。

そのお兄さんは仕事で急いでいたらしく、今は既に出勤されたんだとか。お礼を言いたいのだが、それ以前に気になっていることがある。


「あの、お訊きしたいことがあるのですが……」


そう、たしか。私の記憶が正しければ町中で出会ったお兄さんは私の名前を知っていたのだ。


「……チッ、……何だ」


小さく舌を打ち短く聞き返してきた黒髪の男性は、いかにも面倒くさそうな目で睨んできた。……怖い、と言うのが本音だが、今は腰が抜けて身動きがとれない。そんな建前をぼんやりと考えつつ、口を開く。


「……その……私を運んで下さった方が、私の名前をご存知だったようなので……。眼帯さんは何か知りませんか……?」


「……誰が眼帯さんだ。俺ァ何にも知らねェよ」


ふっと鼻で笑った黒髪の男性は、勝ち誇ったらドヤ顔で目を伏せ____


「あっ、すみません……。じゃあ中二病さんで──あ、痛いですやめてください!ちょ、殴るのはなしですよ!!」


____私の一言によって、人が変わったかのようにゴンっと頭に拳骨を落としてきた。痛い痛いと騒ぐも、彼は興味も持たず再び椅子に座り。


「俺ァ高杉……高杉晋助。お前……柊Aだろ?」

「そ、そうですが……」


言葉を濁しながらも小さく頷くと、合点があったと言いたげにクックッと笑ってきた。見知らぬ人には名前を教えちゃいけない……そんな常識が頭の片隅を刺激してくるも、なぜだか疑いきれない。


「……お前だったとはなァ。こういうのを運命っつうのかねェ……」


なんだか中二病臭いことを言い始めたので、冷ややかな目で一瞥していると。


「……まだわかんねェのか?此処はな────」


からかうような声音で唇に弧を描き、前髪に見え隠れしている目を細めた高杉さんは、酷薄な声音で言い放った。


「────お前の職場。シェアハウ(ここ)スが」


口を開けたまま硬直した私の姿を見て、嘲笑うかのように再び目を細めた。



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あるの(プロフ) - ささかさん» コメントありがとうございます、ささかさん!いつまでも待っていて下さるのですか?!ありがとうございます^^はい、できるだけ早く続編を作り直しますので、それまでは暫しお待ちください! (2018年1月6日 16時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
ささか - 作者さん、色々とお疲れ様!でも私はいつまでも待ってますから!ゆっくりでいいので続編作るの頑張って下さい! (2018年1月6日 15時) (レス) id: 94a7e06d27 (このIDを非表示/違反報告)
霰@あるの(プロフ) - たらぴさん» コメントありがとうございます!はい、念願の初殿堂入りを果たすことができました…!応援までありがとうございます^^たらぴさんのお言葉には励まされるばかりです! (2017年12月24日 17時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
たらぴ - 殿堂入りおめでとうございます!これからも頑張って下さい(^^)/応援してます! (2017年12月24日 17時) (レス) id: dcfd3554f9 (このIDを非表示/違反報告)
霰@あるの(プロフ) - 高杉るなさん» 了解致しました^^ご提案ありがとうございます!高杉さんと遊園地…とても素敵なお話ですね!できるだけ早めに執筆致しますので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2017年12月6日 7時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるの | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月15日 9時

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