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No.020 ページ21

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「人、多いですね」

「……そうだな」


やはり、ハロウィンの力と言うやつは凄まじい。

見渡す限り、人、人、人____人だらけだった。少しでも身体が泳げば人混みに飲み込まれてしまいそうな、そんな中。行く宛もなく彷徨っていれば、不意に人が津波のように押し寄せてきた。思わず足場を崩し、思わず何処へともなく手を伸ばす。


「待ってください、高杉さん!」


人混みに流される私とは反対に、人並みに背の高い高杉さんは肩で風を切り進んでいく。切羽詰まった私は自らが転倒することを悟り、そして……


「____掴まってろ」


不意に伸ばした右手が掴まれ、その反動で高杉さんの胸板にゴンっと額がぶつかった。唐突に抱き締めるような態勢で動きを止めた高杉さんに、私は思わず言葉を失う。


「……手、寄越せ」

「え?」


無言で手を引かれ、人混みをズカズカと掻き分け進んでいく。大通りを抜け、角を曲がり。果たして彼は何処に向かっているのやら、最早私は親に手を引かれる幼子のようだった。寒さに目を眇めれば、視界に飛び込んできた光景に目を瞬く。


「ついた」

「え?でも、此処って……?」


そこは、大きな建物____否、とある学校の校舎であった。その塀をひょいっと飛び越え、無遠慮に校庭に侵入していった高杉さんの後ろを雛鳥のようについていく。校内には侵入アラートやら何やらが設置させれている筈なのだが、何故か今日は発動しなくて。その理由を問うてみるも、何でだろうなとはぐらかされてしまった。

暗闇に溶け込む校舎は、少し古びていて。けれども、歴史を感じさせる、何処とない安心感をもたらしてくれる雰囲気だった。……が、やはりこれは私の悪い癖で。あの曲がり角の向こうから伸びる影は何なのだろう、とか、トイレの前を通り過ぎる度に鏡に映る自分の姿に息を飲んだり。


「坂田さんと同期だったんですか?」とか。

「沖田さんもここに通っているんですか?」とか。


ひんやりとした屋上階にて、夜空を眺めていた。此処に足を踏み込めば、何故高杉さんが私を此処に連れてきてくれたのかが何となく解った気がした。


「うわぁ……!月がきれいですよ、高杉さん!」


「……あァ。星が綺麗だな」


雲の隙間から降り注ぐ月光がほの暗い視界を鮮やかに施した。そんな中、私は疑問符を浮かべる。意味を訊ねようしたその瞬間、無数の流星群が、さぁっと夜空を横断した。

そんな幻想的な夜空の下、私は。


「ハッピーハロウィンです、高杉さん」


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あるの(プロフ) - ささかさん» コメントありがとうございます、ささかさん!いつまでも待っていて下さるのですか?!ありがとうございます^^はい、できるだけ早く続編を作り直しますので、それまでは暫しお待ちください! (2018年1月6日 16時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
ささか - 作者さん、色々とお疲れ様!でも私はいつまでも待ってますから!ゆっくりでいいので続編作るの頑張って下さい! (2018年1月6日 15時) (レス) id: 94a7e06d27 (このIDを非表示/違反報告)
霰@あるの(プロフ) - たらぴさん» コメントありがとうございます!はい、念願の初殿堂入りを果たすことができました…!応援までありがとうございます^^たらぴさんのお言葉には励まされるばかりです! (2017年12月24日 17時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
たらぴ - 殿堂入りおめでとうございます!これからも頑張って下さい(^^)/応援してます! (2017年12月24日 17時) (レス) id: dcfd3554f9 (このIDを非表示/違反報告)
霰@あるの(プロフ) - 高杉るなさん» 了解致しました^^ご提案ありがとうございます!高杉さんと遊園地…とても素敵なお話ですね!できるだけ早めに執筆致しますので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2017年12月6日 7時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるの | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月15日 9時

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