No.002 ページ3
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「柊、手伝おうか？」
不意に声を掛けられる。
咄嗟に振り返れば、そこには毅然とした佇まいの男性が。黒髪黒瞳の、鋭利な印象の切れ長の瞳を此方を向けたその人は警察官である土方十四郎さんだ。彼も此処シェアハウスの住人の一人であり、また、シェアハウス唯一私の肩を持ってくれる人だ。だが警察官故、滅多に此処には帰ってこないのである。とても残念なことなのだけれど、こればかりは仕方のないことなのだ。
だがしかし、常識人、ツッコミポディション……等々、兄気質な十四郎さんは、私にとって優しい兄のような存在なのだ。
その言葉を裏付けるように、家に帰ってから掃除に洗濯、挙げ句の果てには暇を持て余している坂田さんに弄り倒されていた私を気遣い、今こうして声を掛けてくれたのだから。
思わずはにかみ、笑みを溢す。
「ありがとうございます、十四郎さん。では、食器を運んでいただいてもらってもいいですか？」
「分かった」
互いに口数は少ないが、何処か信じ合えるところがあると言う点からか、私はは自然と゛十四郎さん゛と呼んでいた。その理由は、こうして共に生活して二年と少し経った今でも解せない。……が、ひとまずこの話は置いておいて。
コクリと無言で頷いた十四郎さんが、淡々と家事をこなしていく。その姿に目を奪われつつも、負けじと私も晩御飯の下準備を進めていく。家事力が半端ではない彼に密かに対抗心を燃やしてはいるものの、勝てる気もその背中に手が届く日もやってこない。
そんな感傷に一人で浸っていると、突然レトロコールのような音が高らかと響いた。急いで自らの携帯に目を遣るも、その音の発生源は私のものではなくて。自然と十四郎さんの携帯に視線を向けると、丁度同時にそれに視線を遣っていた十四郎さんと目がバッチリ合い、暫し無言で視線を交錯させた後、同時にぷっと吹き出した。十四郎さんが笑うだなんて、実に珍しい。
「すまねェ、A」
「いっ、いえ、お気になさらず」
すぐ表情を一転させ、手早く携帯の画面を操作すると。すると突然、耳を射貫くような大きな声が響いてきた。少ししゃがれた、年四十程だと推定させるその声。しかもその内容は、「事件だ早く来い」や「減給するぞ」等と言う少し残酷な言い草だった。そんな乱雑な言葉に淡々と言葉を返していく十四郎さんが、口パクで「ちょっと行ってくる」と。
嵐のように去っていった彼の後ろ姿を見て、一言。
「晩御飯、どうしよう……」
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あるの(プロフ) - ささかさん» コメントありがとうございます、ささかさん！いつまでも待っていて下さるのですか？！ありがとうございます＾＾はい、できるだけ早く続編を作り直しますので、それまでは暫しお待ちください！ (2018年1月6日 16時) (
レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
ささか - 作者さん、色々とお疲れ様！でも私はいつまでも待ってますから！ゆっくりでいいので続編作るの頑張って下さい！ (2018年1月6日 15時) (レス) id: 94a7e06d27 (このIDを非表示/違反報告)
霰＠あるの(プロフ) - たらぴさん» コメントありがとうございます！はい、念願の初殿堂入りを果たすことができました…！応援までありがとうございます＾＾たらぴさんのお言葉には励まされるばかりです！ (2017年12月24日 17時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
たらぴ - 殿堂入りおめでとうございます！これからも頑張って下さい(^^)/応援してます！ (2017年12月24日 17時) (レス) id: dcfd3554f9 (このIDを非表示/違反報告)
霰＠あるの(プロフ) - 高杉るなさん» 了解致しました＾＾ご提案ありがとうございます！高杉さんと遊園地…とても素敵なお話ですね！できるだけ早めに執筆致しますので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです！ (2017年12月6日 7時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
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