【忍たま】スノードロップ (ページ19)

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19話ページ19

「…君は、天女を知らないんだね」

話題を急に変えられて戸惑うけれど、
初めて私の目を見て話してくれた。

「…はい、」

その顔が、とても辛そうで何も知らない私でさえ胸が苦しくなる。

「はい、おしまい。また明日薬を塗りに来てね」

治療が終わるとすぐに医務室から追い出されて、その場に立ち尽くす。

結局なにも情報を聞き出せなかった。

みんなの悲しそうな顔が脳裏に焼き付いて離れない。

天女は何をしでかした？

ここの何を壊した？

乱太郎、きり丸、しんベヱと勘右衛門の態度…

集会のとき、列が微妙な距離を保たれていた…

上級生と下級生の間になにが…？

まだ、この世界は分からないことだらけだ。

「…見てないで来てくださいよ」

私は声をあげた。

「…今回の天女様は随分と察しがいいようで」

目の前の草むらから、同じ顔がふたつ…

不破雷蔵と鉢屋三郎。

「天女様、お部屋にご案内します」

多分、三郎が私を見てにっこりと笑う。

…ほんとにそっくりだなぁ。

もう天女呼びに突っ込むのも疲れてきたよ、

「三郎、天女って呼ばないでって言われてたじゃないか」

おおっ雷蔵さんが訂正してくれた！さすがです！

「雷蔵…じゃあ何と呼べば？」

「えっ…それは…Aさん？いやでも急に下の名前で呼ぶのは失礼かな？じゃあAさん、うーん、でも…」

雷蔵の迷い癖がでてしまった笑

「あの…普通に下の名前で呼んでもらっていいですよ…？」

私がそう言うと、2人はまたにっこり。

「ではAさん、部屋はこっちですよ」