【忍たま】スノードロップ (ページ6)

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6話ページ6

「…夢？」

「夢じゃないよ」

後ろに低い声が聞こえてきて飛び上がる。

「さぁ、天女様。行きましょうか」

ガシッと手を掴まれる。

い、痛い。

丸い顔にまんまるの目。

そしてなによりうどんみたいな摩訶不思議な髪の毛。

かわいい顔なのにその目は殺意すらあった。

紛れもなく勘右衛門、なのに。

「あの…天女様って、誰…ですか」

そう聞くと怪訝な顔をされる。

私の質問に答えずにその人は後ろを向いた。

「兵助、新しい天女だ」

草むらからまつげが長くふわふわした黒髪の人が出て来た。

本物だ！！なんて騒げる余裕が無い。

「…天女を知らないのか？」

兵助もやっぱり冷たい目をしている。

「今までのやつらは自分からそう呼ぶようにいってきたんだけど…」

勘右衛門がそう呟いて考えるそぶりをする。

天女って、羽衣を着た美しい人みたいな感じかな。

そう呼ぶように言うなんて…自意識過剰じゃん！

「私は天女じゃなくて、Aです。天女様と呼ぶのはやめてください」

そう言い切ると兵助は不思議そうに眉をしかめ

勘右衛門は楽しそうにニヤッと笑った。

「わかりました、改めて“Aさん”、行きましょう」

また差し出された手におずおずと手を乗せる。

…行くって、まさか。