隣の君。【Daiki.A】 (ページ4)

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小学校の入学式。

『なまえ順』で座らされた先頭は私、浅野A。

その隣には有岡大貴くん。

みんな緊張していて、泣いている子もいれば固まっている子もいた。

そんな中、人一倍元気な男の子。

「みて、朝、拾ったんだ！」

にっかーと笑うその手には桜の花。

「わ、すごいね。お花の形のままだ！」

式の途中に話しかけてきたからひそひそ声で話す。

「でしょ！これあげるよ！」

「え、いいの？」

「うん！お花は女の子にあげると喜んでもらえるって聞いたことあるから！」

これが初めての会話だったと思う。

ちなみにこの後、話が弾んで2人で先生に怒られちゃったんだけれど。

その時以来。
席替えもクラス替えも、受験だってしたのに

いつも私の隣には有岡くんがいた。

高校で彼が引っ越すまでは_____。

10年間も一緒にいたのに

別れはあまりに突然で。

急に隣が空っぽになった。

やっと自分の気持ちに気付いたものの

既に有岡くんはいなくなっていて。

もやもやした想いだけが残っていた。