【碧棺左馬刻】愛ではなく哀で

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｢クソ三兄弟で満足してんじゃねえぞ
てめえら！！！｣


今度は左馬刻さんの声が響き渡り
ステージ上にある
階段のてっぺんで立っている3人の人影

そこに青色のスポットライトが照らされ
またもや、観客の悲鳴


ズカズカと先頭で降りてくる左馬刻さんの
後ろを銃兎さん、理鶯さんと続く


階段を降り終え、左馬刻さんは
BBのリーダー山田一郎くんの前に立ち
嘲笑うかのように言葉を放つ




｢クソ偽善者の山田一郎くんよォ…｣

｢今度こそ這い上がってこれないよう
叩きのめしてやるよ｣


｢その言葉そのまま返すぜ左馬刻ィ！｣


｢ハッ。いいぜ、楽しもうじゃねえか｣





左馬刻さんは舌なめずりをして
まるで飢えた獣のような顔で笑った




カチカチッ




ヒプノシスマイスが起動され
重い音が鳴り始める




｢俺から行くぜ、よく聞いとけダボが！！！｣




あぁ、始まるんだ

重い重い低音の曲に合わせ
私の心臓も重く響く





｢久しぶりだな糞ガキ共
お前ら何度負ければ気が済むんだ、あ゛？
俺様の時間を無駄にさせんじゃねえよ
毎回毎回クソラップ
てめえらのライムは響かねえ
ましてや俺らに届くはずがねえ
ヤワなdisで勝てると思うな
雑魚は雑魚らしく跪いてろ永遠にな｣




左馬刻さんのラップが終わると

BBの二郎くんと三郎くんが
両膝を床につき
荒い呼吸を繰り返している

一郎くんは膝に手を付き
なんとか持ちこたえてるようだが
大量の汗が流れている




｢…全然効かねえ！！これで終わりか左馬刻ィ！｣

｢ハッ、自分の姿鏡で見てこい糞が｣


｢今日こそお前をぶっ潰してやる｣






カチカチッ




一郎くんはマイクを起動させ
力強くライムを唄い始めた






｢左馬刻ついに記憶障害か？
俺らが負けた？笑えるな兄弟
お前らはただの寄せ集めチーム
俺らは血で繋がるぜ ファミリー
お前らには裂けねえ俺らの絆

俺らのライムが響かねえ？
そりゃてめえらには響かねえよカスが
お前ら外道、人道はずれ
人間にしか分からねえよ帰れ｣





一郎くんのライムが終わると


左馬刻さんはウッと声を漏らし
頭に手を当て俯き

銃兎さんは
ふらついており手が痙攣している

理鶯さんは
胸を抑え苦しそうに息を荒らげていた





｢左馬刻、今日お前が地べたに顔をつけるのが
見れそうだな｣




左馬刻さんは
そう吐き捨てた一郎くんを

苦痛の顔で睨みつけた

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